第578号『夏の終わりに』

【夜の元町プール】
【夜の元町プール】

夏は野心で始まり、挫折に終わる。

その心は、あたかも永遠に何を幾らでもしていいという開放感と、終わってみれ
ば、それが幻想であることに気付かされ、現実に引き戻される時の寂寥感に打ち
のめされるということを・・・。

それでも、性懲りもなく今年の夏も成し遂げたい幾つかの事柄を掲げた。

・夏目漱石著「三四郎」を読む。

・映画「STAND BY ME ドラえもん」山崎 貴/八木 竜一監督作品を観る。
 
・夜の横浜元町プールで泳ぐ。

・湘南の海で本気で泳ぐ。

・横浜のライブハウスでライブを聴き、夜遊びをする。

・煙をもくもくしながら、焼き肉を思いっきり食べる。

・ソーキそばに、島とうがらしを入れて食べる。

・花火を観る。

・ジリジリとした陽射しの下、オルセー美術館展を観に出かける。

・観音崎まで自転車で行く。

・一日、何もしない日を持つ。

並べてみて、気がついた。
どれもこれも取るに足らないほど、小さな野心であることに。
それでも、幾つかは遂げられ、幾つかは成し得なかった。

陽射しも日に日にその強さが弱まり、朝夕につぎの季節への気配を漂わせ
はじめている。

今年の夏も、もうじき終わる。

そしてボクは、挫折と野心を胸に抱え、前へ一歩踏み出す。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です