夏は野心で始まり、挫折に終わる。
その心は、あたかも永遠に何を幾らでもしていいという開放感と、終わってみれ
ば、それが幻想であることに気付かされ、現実に引き戻される時の寂寥感に打ち
のめされるということを・・・。
それでも、性懲りもなく今年の夏も成し遂げたい幾つかの事柄を掲げた。
・夏目漱石著「三四郎」を読む。
・映画「STAND BY ME ドラえもん」山崎 貴/八木 竜一監督作品を観る。
・夜の横浜元町プールで泳ぐ。
・湘南の海で本気で泳ぐ。
・横浜のライブハウスでライブを聴き、夜遊びをする。
・煙をもくもくしながら、焼き肉を思いっきり食べる。
・ソーキそばに、島とうがらしを入れて食べる。
・花火を観る。
・ジリジリとした陽射しの下、オルセー美術館展を観に出かける。
・観音崎まで自転車で行く。
・一日、何もしない日を持つ。
並べてみて、気がついた。
どれもこれも取るに足らないほど、小さな野心であることに。
それでも、幾つかは遂げられ、幾つかは成し得なかった。
陽射しも日に日にその強さが弱まり、朝夕につぎの季節への気配を漂わせ
はじめている。
今年の夏も、もうじき終わる。
そしてボクは、挫折と野心を胸に抱え、前へ一歩踏み出す。