第579号『アスリートとして』

【緊張、スタート10分前】
【緊張、スタート10分前】

昨年暮れから月2回、トライアスロンの個人レッスンを受けている。
ある日ふと、60歳を過ぎて、あとどれくらいこの競技を続けることが
出来るのだろうかと思った。

困難だけれど、ゴールした時の達成感は他のどんなスポーツに比べても
見劣りするものではない。
心から喜びを感じることの出来る、本当に素晴らしいスポーツである。
だから、一日でも長く続けたい。

では、どうするか?

きちんとした考えに基づいて指導してくれる師から、教えを乞う。
そう願い、周りを見回してみた。
欲すれば出る。
トライアスロン協会の主催する練習会で、横浜トライアスロン研究所の
滝川コーチと出会った。

彼の指導は、理論的かつ合理的である。
その日の目標・目的をはっきりさせ、練習に取り組む。
そして、トレーニング終了後、必ず問われる。
それは、出来なかったことではなく、その日、目標・目的としていた
ことの何が出来たかを。

この視点は、普段の生活においても、とても大切なことである。

ボクたちはスポーツでも仕事でも、出来なかった点やマイナス面を引き
合いに出し、議論をすることが多い。
もちろん、弱点を修正し、強化することを否定するものではない。
しかし、弱点を克服することは、なかなか困難なことである。
なにしろ、自分にとって元々苦手なことなのだから。

であれば、むしろ僅かでもプラス面を見つけ出し、それを磨いたほうが
結果として、マイナス面も補うことが出来る。

ものごとには、必ずプラス面とマイナス面がある。
そして、それぞれにその理由がある。
マイナス面はそれ以上マイナスにならないように注意し、プラス面を伸
ばす。

現役のアスリートだからこそ、日々の生活のなかで、弱点をあれこれと
拘泥するような批評家や評論家になるのはやめよう。
そして、これからも全てのことに、常に前向きな気持ちで取り組んで
いきたい。

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