仕事場は横浜金沢シーサイドタウンにある。
京急線で都心とは逆方向、横浜から特急で上大岡駅へと向かう。
ここで各駅停車に乗り換え、3つ目の京急富岡駅下車、徒歩12分。
海の近くにある団地の一室。
毎週月曜日の朝、ここに総勢8名のメンバーが集まり、fun meetingと名付けた定例会
を行う。
2011年1月、中央区浜町から横浜金沢区に仕事場を移した。
あれからもう、4年が過ぎた。
浜町新大橋のすぐ側にあるビルの最上階、ペントハウスのようなオフィスだった。
隅田川を眼下に、建造中だったスカイツリーの景観も楽しめた。
入居して、1年目2年目と順調に売上は伸びた。
スタッフも4名までになった。
この調子でいけばファンサイトもIT系のオシャレでリッチな感じの会社になるかも、
と思った。
しかし、そう易々とコトは運ばない。
翌年から思うように売上が伸びず、支払いと収入のバランスが悪くなる。
特に、家賃の固定費が重い。
この事態を回避する手立ては、ここから撤退すること。
答えは明快に分かっていた。
もっと具体的にいえば、固定費が軽くなる横浜の自宅を仕事場にすることだと。
しかし、移ることに抵抗があった。
こんな、素敵なオフィスを手放すのはもったいない。
どだい、見栄えが悪い。
それに、都落ちしたら仕事に支障がでるのではないか。
振り返ってみれば、移転は成功だった。
なにより、団地にいることは結果として日々の中で普通に暮らす生活者を観察し、
会話することが当たり前。
つまり、生活者としてのファンを常に意識しながら仕事ができる環境にいる。
ファンサイトを標榜するにはもってこいの場所なのだ。
それにしても、あの時どうして決断することができたのか。
これから、企業と生活者がともに豊かになるためには、世の中にファンサイトという
考え方が絶対必要になる。
これを広めたい。
だから、かっこ悪かろうが泥まみれになろうが、どうしてもファンサイトという会社
を潰すわけにはいかない。
だから、この夢の実現のためにボクは決断できた。