第601号『安売りは正義ではない』

【五味商店 寺谷社長と】
【五味商店 寺谷社長と】

怒濤の三日間が終わった。
先週、10日から12日まで東京ビックサイトで開催された「第49回スーパーマーケット
・トレードショー」
に参加した。

来場者数84,614名。
バイヤーや業界関係者の方々との名刺交換の数も、優に100枚を超えた。

今回の出展のきっかけは、全国からこだわりの食材を集めている五味商店と、ファ
ンサイトが運営する(お料理教室の先生方111名を中心とした)ファンコミュニティ
サイト「andparty」との、商品開発コラボレーションがご縁となった。

五味商店が中心となり、全国から集まった味噌、醤油、お出汁などの食材を生産
する参加企業80社。

値段は少し高いが、どれも自信を持って味わえるものばかり。
ただ規模が小さく、うまく流通にのせることが出来ず、苦しんでいる会社が多い。
それでも、自分たちの食やもの作りに対する考え方を愚直に守り通している。

この三日間で、ボクは確信したことがある。

大量生産し、安く売るのが当たり前の時代。
「他店より、1円でも安くします」

「赤字覚悟でのセールです」

「エブリディ・ロー・プライス」

「激安!」


安くすることが、あたかも「正義」のように聴こえてくる。
しかし、ボクは安売りは「悪い」ことだと思うようになった。

なぜなら、誰もしあわせにならないから。

しあわせにならないばかりか、モノを作る喜びを失わせ、結果的に社会を疲弊させる。
あえて言う、安売りは正義ではない。

お客は別に安い商品が欲しいわけではない。

高い商品を買う理由が見当たらないから、安いほうを買うのだ。

大切なことは、しっかりと価値とその商品が生まれた背景や物語を伝えること。

小さくても、良いものを丁寧に作る人たちをもっともっと応援したい。

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