第637号『本末転倒』

IMG_6269s【愛用の手帳】

手帳売り場がにぎわう季節になった。
ファンサイトの起業当初から使い続けている手帳がある。
先日、その手帳を買い求めて横浜そごうデパートにあるロフトに出かけた。
手帳売り場に並ぶ、様々なデザインとその用途の多さに改めて驚いた。

気になったものを手に取り、一つ一つ見る。
従来のものに加え、最近では起業家や広告代理店出身のクリエーター、有名ブロガーらが
プロデュースした手帳、さらにその使いこなし術を紹介した本まで売り場に置ている。
例えば「ジブン手帳」「朝活手帳」「英語手帳」さらに「週末野心手帳」といったものも
ある。
これらの手帳の特徴をみてみると、「ジブンの人生を変える」「目標を設定する」「手帳
に書き込み実現する」「夢を叶える」といった目的を達成するための応援グッズかのよう
に置かれている。

これまでも目標達成型手帳は「目標設定」「目標の時間分析」「日々の行動」といった方法
で、企業経営がやってきたことであり決して目新しいものではない。

いま、こうした手帳が数多く登場する背景には、多くの人たちが自分の目標そのものを失っ
ている時代だからではないか。
だから、自分をコントロールし、マネジメントしなければと、心の焦りを埋めるための道具
として必要になっているのではないか。
だから、こうした手帳のマネジメント項目も「日常生活」「キャリアアップ」「美容と健康」
「お金」「趣味」「家族と友人」と目標管理のために、実に細かく隙間を分け記入するもの
が多い。

ボクは、他人が用意したフレームで考えるのは苦手だ。
だから、微に入り細に入りどんなに使い勝手が良さそうでも、こうした手帳には触肢は伸び
ない。
なぜならば、目標設定とその達成のためには他人からではなく、自分なりのフレームと項目
を設定する必要があるからだ。

そして、何よりも大切なことは、なにがなんでも自分の目標を明確に持つこと。
手帳がなければ目標も見いだせず夢も語れないというのでは、本末転倒。
手帳で人生が変わるわけではないのだから。

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