【お料理実習風景】
社員、百十数名を擁するシステムエンジニアリング会社社長H氏から電話をもら
った。
「川村さん、若手の社員研修でお料理教室をやりたいんだ・・・」
H氏とは30年来の友人でもあり、お互い気軽に頼み事をする間柄でもある。
彼はファンサイトが運営している「andparty」(お料理研究家を応援するファ
ンサイト)のことを知って連絡をくれた。
「andparty」に参加していただいている先生(登録数 現在121名)にお願いし、
クッキングスタジオを予約し、先生とレシピを詰め、研修開催日をむかえた。
後日談だが、この研修会のチームリーダーから、お料理教室を通しての社員研修
がちょっとしたブームになっていると聞いた。
理由は、以下のようなことだという。
1.目標設定能力
仕事において結果を出すには、ゴールとそれまでの手順を明確に設定する必要が
ある。料理も、必ず完成というゴールがあり、そこまでのプロセスを考える力を
鍛えることができる。
2.感受性
チームで働く際には、自分の仕事を進めつつも周りに配慮する必要がある。複数
の料理を作る際には、火加減を見たり食材を切ったりと、同時に進めるものが多
く、周りに気を配る訓練になる。
3.柔軟性
仕事では、失敗した後の工夫とその対応が結果を左右する。料理でも、ミスが起
こるのは日常茶飯事であり、その度に工夫と対応が必要である。
4.ポジティブ力
柔軟性にも通じるが、新しいことにどんどん挑戦できる姿勢が成果を出すために
は必要となる。料理であれば、新しいレシピに挑戦することで鍛えることが可能
になる。
ともあれ、お料理実習が終わり実食へ。
皆、自分たちで作ったお料理を美味しそうに頬張っている。
たしかに、お料理と、仕事には共通する何かがある。
この夜、10数名の熱気はそれを実証してくれたように感じた。