【コリーヌのCD】
目まぐるしい一日だった。
朝から、冷たい雨。
これから満員電車に乗り、新宿で大切なプレゼンがある。
ルートは、京急線で横浜駅まで行き、東横線に乗り換え、新宿三丁目で降り、
クライアントの会社まで歩く。
このルートが運賃も時間も一番合理的と検索結果が出た。
それでも余裕をみて、予定の時間より少し早めにアトリエを出た。
ところが、東横線で車両事故があり、武蔵小杉あたりからノロノロ運行。
車掌が振替輸送を勧めるアナウンスを繰り返す。
このままでは、プレゼンに間に合わない。
予定がいきなり狂う、予定の時間まで1時間を切っている。
ジワリと嫌な予感がする。
再度、検索。
どのルートに変えればどうなるかを。
そして、田園調布で目黒線に乗り換え、目黒から新宿までなら、なんとかギリ
ギリ間に合うと。
予定を少し超えたが、なんとか間に合った。
肝心のプレゼンである。
中身の濃い内容だったのではないか。
結果は来週だが、期待したい。
遅めの昼食を蕎麦屋で摂る。
鯖の塩焼き定食に温かいそば付き。
そして午後は、御徒町にある得先のオフィスで、この春から始まった新サイ
ト構築のための定例会議。
この会議は、毎回盛り上がる。
なぜなら、得意先のご担当の方々が楽しんでいるからだ。
4月末から5月中旬の間には完成予定で進んでいる。
この日、最後の打ち合わせは、夕方から赤坂にある代理店で。
そして、この夜、数ヶ月前から楽しみにしていた英国の女性シンガーソング
ライター、コリーヌ・ベイリー・レイのライブへ。
最初に彼女の歌声を聴いたのはMTVでだった。
柔らかく伸びやかなのに、芯に厚みがある独特な歌声と、フェミニンな容姿
が魅力的だった。
そして、2007年2月の初来日、恵比寿のザ・ガーデンでのコンサートにも行
った。
あれから、10年の時を経たことになる。
赤坂BLITZで行なわれた、この夜のコンサートも、予想を違わぬ素晴らしいも
のだった。
会場から出た時、降り続いていた雨も止み、赤坂見附駅まで歩いた。
傍らにいた妻が、少し飲みたいねと言う。
僕らは、小さな店に入りハイボールで乾杯した。
歩道は雨で濡れていたが、コリーヌの歌声が、頭と耳に心地よく残り、なんだ
かウキウキした気分になった。