第768号『自分ブランドを作る』

【のれん】

同じ過ちを起こす。
人間だから仕方のないことだと思う。
しかし、それにも限度はある。
そして、自分の犯した過ちに鈍感な人にかぎって、繰り返し虚言癖かと思われるよ
うな言い訳めいた言葉を吐く。

曰く、「自分を信じてくれ」、「今度だけはマジ本当だから」、終いには脅かすか
のように、「俺のことが信じられないのか!」と。

どんなに言い募っても、実態の伴わないうわ言では、相手は信じてくれない。

その人を根本的に信じられるかどうかは 、実はその人の言葉ではない。
普段から、言ったことを実行しているかどうかという、その人の行動がすべてなの
である。

つまり、言行一致かどうかということ。
言ったことは、やる。
約束したことは、守るということだ。
当たり前のことだが、実はこれは至難である。

相手との約束を自分の都合のいいように解釈したり、ないがしろにすれば、たち
まち相手からの信用を失う。
もう一つの意味としては、「この人(他者)と楽しい時間を過ごす」ということ
において、相手への敬意を表明するという暗黙の約束でもある。

そして、約束を守るということを真摯に積み重ねると、信頼というかけがえのな
い財産を手に入れることができる。

実は、これがブランドの本質なのだ。

ブランドとは何か?
一言でいうならば、「僕と友や仲間、(突き詰めて言えば)自分自身との約束
のこと」だ。

これを企業に当てはめて言い換えるならば、「私たち〇〇会社はお客様に対し、
商品やサービスを通して〇〇(例えば、安全・美味しさ・快適さ等々)を守るこ
とを約束します」ということである。
つい最近の事例でいうなら、川崎重工の新幹線「のぞみ」の台車欠陥も、スバル
のデータ改ざんも、自分たちのブランドを毀損した行為である。

まずは、自分ブランドを作るために、日々、言った(約束した)ことをしっかり
と実行していきたい。