第786号『熱中症になった。』

【ウォーター】

地球温暖化や都市化を背景に、年々増加している熱中症。
今年は異常ともいえるほどの状況で、病院に搬送された患者も多い。
加えて、高齢者を中心に死亡例も少なくなく、東京都によると、同年
夏期(6-9月)の死者数は23区内だけで115人にも上っている
という。

実は僕も2年前、熱中症になった。

青森県の日本海側にある鰺ヶ沢町(相撲力士、舞の海の出身地)で行
われたトライアスロンのレースでのことである。

バイクからランに移り、足が動かない。
ダルくて、力がまったく入らない。
それでも、フラフラしながら10キロのコースを歩き、走った。
しかし、ゴール手前で突然、鳥肌が立つような寒気に襲われた。
次に、目の前の風景がすべて黄色の世界になった。
そして、目がグルグル回ってきて、立っていられなくなった。

気がつけば、救護テントの中にある簡易ベットに横になっていた。
首、両脇、足の周りには、氷の入ったビニール袋でびっしりと覆われ
た状態で。

1時間以上こうして冷やされ、なんとか立てる状態にまで戻ることが
できた。
あとで、介護の方から言われた。
このまま、昏睡した状態であれば、死の危険もあったと・・・。

原因はなにかと考えてみた。
・レース当日の気温が37度以上の暑さだったことに加え、湿度も高か
 ったこと。

・スイムの後、バイクはアップダウンのある山岳コース(世界遺産、
 白神山地エリア)で、激しい上りの後の下りでは風を受け、(身体
 が乾き)あまり気温の高さを感じなかったこと(この錯覚)で、水
 分補給を怠ったこと。

・そして、もう一つ、久々の遠征ということで、自転車をバラしで輪
 行袋に入れ運んだため、前日受け会場の町の体育館で組み立てた。
 これが、良くなかった。
 当然、クーラーなどなく、汗だく状態だった。
 水分も摂らず、ここで延々と作業をした。
 実は、すでに前日のこの時点で軽い脱水状態だったのだろう。

残念ながら、このレースはタイムオーバーとなりDNF(Do Not Finish)。

当然のことであるが、タイムオーバーを嘆くより、命拾いをしたこと
に感謝した。

脱水状態は、ちょっとした油断で、誰もがなり得る。
のどが渇いたと感じたときは、すでに遅いとも言われている。
熱中症は、本当に怖いということを肝に銘じ、その具体的な方法として
(ここがポイント)時間を決め、例えば30分毎にとか、こまめに水分補
給をすることをオススメしたい。

【夏季、ファンサイト通信お休みのお知らせ】

例年通り、夏休みを設けさせていただきます。
8月3日(金)8月10日(金)8月17日(金)の3回。
次号開始は、8月24日(金)からの配信予定です。
引き続きのご高覧、よろしくお願いします。

            ファンサイト 川村隆一