【浜町公園】
見慣れたモノや風景が、何かのきっかけで全く違
ってみえることがある。
週末、僕は東京で旅人になった。
事の発端は、土曜日の夜、妻が友人とライブに行
き、翌日の日曜日、別の旧友と久しぶりに会うこ
とになった。
横浜に帰るとなれば、深夜1時過ぎの帰宅となり、
翌朝また出掛けることになる。
しかして、都内に宿をとることにした。
そして、土地勘もある浜町(2011年までの6
年間、この街にオフィスを構えていた)のホテル
に予約をした。
懐かしさもあり、僕も泊まることにした。
もともと、僕も学生時代の友人が銀座で個展をや
っているので、会いに行く予定でいた。
こうして週末、それぞれの理由で東京に出かけた。
銀座で妻の友人と会い、少し遅いランチを三人で
食べ、その後、友人の個展を観た。
そして、ここから妻とは別行動になった。
時計を見れば、午後3時。
さて、何をするか。
本屋に行くか、それとも映画を観るか、少し早い
が一杯やるか。
加えて、今晩は横浜に帰らずに済む。
なんとも気楽である。
なんだか、ワクワクしてきた。
こういして、あれこれ思案しているうちに、そう
いえばと思いたち、有楽町に設置されたラグビー
観戦のパブリック・ビューイング(ファンゾーン)
があることを思い出し、行くことにした。
にわかラグビーファンとして一歩、会場に入ると
黒(ニュージーランド)のジャージと白(イング
ランド)のジャージ着た多くのファンで、異様な
までの熱気で溢れていた。
しかして80分、白熱した戦いを大画面で観戦し、
その余韻に浸りながらファンゾーンを後にした。
【パブリック・ビューイング会場】
時計に目をやれば時刻は7時前。
まだまだ宵の内。
一杯やるには、いい頃合いだ。
有楽町から東銀座まで歩き、浅草線で人形町まで
行く。
ホームから地上に出ると、街は薄墨色。
甘酒横丁角にある「笹新」の暖簾をくぐる。
運良く、カウンター席が1つ空いている。
ポテトサラダ、しめ鯖とビールに熱燗1本。
いつもながら、外さない美味さである。
長居をせず、次の店を探す。
人形町交差点まで戻り、小さなイタリア料理の店
に入る。
ここでは、アスパラを素材にしたアラカルトにト
リッパと白ワインを2杯。
【ワインのあて】
宿は、浜町公園の直ぐ側。
往く途中、博多ラーメン「しばらく」がある。
ここで暫し立ち止まるも、思案の末、踏みとどまり
コンビニで酒とつまみを補給しホテルに到着。
シャワーを浴び、横になるとそのまま朝まで熟睡。
朝一番、浜町公園内にある、中央区スポーツセンター
のプール(旅に出掛ける時はカバンにスイムパンツ、
ゴーグルはいつも用意している)で1時間ほど泳ぐ。
【スポーツセンター】
そして、軽い朝食を摂り、妻は友人との待ち合わせに
向かい、僕は横浜へ帰った。
別段、どうということもない週末だったが、それでも
いつもの(仕事で来た時とは違う)東京の街並みが少
し違って見えた。
それは、たぶん僕の眼差しが、旅人気分だったからだ
ろう。