【食パン】
自戒の念も込め、仕事をしていて、これだけはや
るまいと思っていることがある。
ほんの20数年前のことだが、上司の雑用は部下
に丸投げということが当たり前だった。
資料作りはもとより、コピーの1枚もとることも
しない。
さらに、週末に上司の家の引っ越しの手伝いまで
させらたこともある。
こうして、上司との関係を作っていくことが当た
り前な=昭和レトロな時代であった。
上司たるもの「雑用」は部下に任せ、生産性のあ
ることだけに専念するのが「仕事」だと勘違いし
ていたのだろう。
例えれば、食パンの白くふわふわとした真ん中だ
けを食べ、外側の硬いミミの部分を部下に押し与
える。
考えてみれば、信じられないような乱暴極まりな
い仕事ぶりである。
もちろん、あのころの雑用といまの雑用では、質
も量も、さらにスピード感も大きく違っている。
僕自身、すべての雑用に対応できるほど器用では
ないが、できることは極力やりたいと思っている。
例えば、コピー印刷と丁合い。
クライアントとの定例ミーティングで使用する、
データ分析表や企画資料。
プレゼンテーションのための資料。
さらに、見積書と請求書など、自分の担当以外で
も、できる限り手伝うように心がけている。
こうすることで、自分が直接関わっていないプロ
ジェクトの進捗状況を知ることができるだけでな
く、時に誤字や脱字のミスやプロジェクトそのも
のの問題点にも気づくこともある。
これからも、雑用をしながらその大切さを感じつ
つ(そもそも、零細企業の経営者は雑用係でもあ
るのだが)、創造的な仕事をする人でありたい。
そして、食パンはミミの部分も残さず食べる人で
いたい。