2週間ぶりのファンサイト通信である。
ブログをほぼ毎週更新しているが、夏休みとお正月休み、そして金曜日が祝日の時は休刊日にしている。こうして、少し間が空いた後のリスタートはいつも苦戦をする。ならばその対策として、書き溜めておけばいいかと思ったこともあった。しかし、掲載の直前に読み返してみるとなんだか気に食わない。いま、自分が言いたいことと書いたことの間にズレを感じてしまう。言葉の鮮度が悪いなと感じてしまうからだ。
だから、毎回ぎりぎりまで、いまの自分が漠然と考えていることを引っ張り出す作業(傍から見ればただぼーっとしているようにしか見えないだろうが)をしている。僕にとってこの通信を書くことは、読者の方々に対する感謝の気持ちと、自分がどんな気分でいるかを言語化することで、僕自身のいまの立ち位置を確認する作業にもなっている。
さて、今年の夏の話しである。
夏休みは野心で始まり、挫折で終わる。毎年、あれもこれもと計画を立ててみるが、終わってみればその半分もできなかったというのが夏休みの相場である。しかし、今年の夏はこれまでとは少し違っていた。ほぼ、なんの計画も立てなかった。しかし、その結果として、一つのことを専念してやれたことがある。今回は、その話をしたい。
ほぼなんの計画も立てなかった原因は何か?
あれよあれよと、第7波コロナの感染が再拡大したこと。危険と感じるほどの猛暑が続き、とてもではないが外出を躊躇せざるを得なかったから。その他にも、終わらないウクライナとロシアの戦争。その戦争も影響しての物価高と日本経済の停滞低迷。政治家の体たらくぶり。加えて、5月に発症した腰の痛みが2ヶ月近く続いていたこと。なんだか夏休みを前に、萎えてしまう要因しか見当たらなかった。
コロナもウクライナ戦争も日本経済・政治も、なんとか出来ないものかとの思いはあっても、歯がゆいほどにどうにもならない。せめて、自分の痛みだけでもなんとかしなければ・・・。
腰を屈めると切り裂かれたような痛みを改善するべく、マッサージやカイロプラクティック治療、ハリ鍼灸などもやってみた。しかし、一向に良い方向には向かわなかった。
根本原因が分からずに、あれこれと手を打っても仕方がない。そこで、僕もメンバーの横浜トライアスロン研究所の滝川コーチから紹介していただき、整形外科でしっかりと診てもらうことにした。大船にある岩田整形クリニックは、スポーツ整形外科分野を得意とし、院長も元トライアスリートである。
予約をし、検診した。
いくつかの質問をされ、身体の様子を診た後、直ぐにレントゲンとMRIで検査された。結果は「仙骨関節障害」と「脊柱管狭窄症」。岩田先生からの診査結果は、「仙骨関節障害」は時間はかかるが徐々に痛みはなくなる。しかし「脊柱管狭窄症」は不可逆的な疾患で、加齢が原因であり一生付き合うしかない。トライアスロンも止める方向で考えたほうがいいのでは、とのアドバイスを頂いた。
落ち込んだ。
自分にとってトライアスロン競技を続けることは、これまでもこれからも人生の大切な一部である。そのトライアスロンを止めることになるとは・・・。考えたこともなかったし、心の準備も出来ていなかった。
翌日から処方された血流を促す薬を飲み、教えてもらったストレッチをした。同時に、治療を開始した時から日々の変化を記録するためのノートも作った。こうして、1週間で痛みが薄らぎ、2週間で痛みの範囲が狭くなり、3週間を過ぎたころにはほとんど痛みを忘れるほどに改善した。この間、徐々にではあるがストレッチと筋トレもし、泳ぐことも自転車を漕ぐことも、そして少しづつではあるが走る距離も伸ばした。
治療開始から1ヶ月が経ち、岩田先生から長時間のレースでなければ出場しても大丈夫だろうとの言質もいただいた。嬉しかった。まだ、トライアスロンを続けられそうだ。長く続けたいから、無謀なことも無理もしない。
いまでも時々、痛みと疼きを感じる日もある。でも、この痛みと疼きに上手く付き合っていくしかない。だってそれでも、トライアスロンをやりたいから。
やるかやらないか、YESかNOか。この夏休み、一つのYES(やること)を選んだ。NOを選ぶことは、いまいる場所から動かないことだ。なんの変化も生まれない。しかしYESを選ぶことで、次のYESかNOか、やるかやらないかの選択が発生する。人生は前にしか進まない。だから、僕はYESを選ぶ。
2件のフィードバック
ひとつのイエスを選んだ。
今回もまた、
キレのある短編小説を
読ませていただきました。
いつも元気を、ときに勇気を、
毎号、ほんとに、ありがとうございます。
まずは、
リハビリに集中したから、
復帰できるほど回復したわけですよね。
ひとつのイエスを選ぶ。
ひとつに専念する。
学ばせていただきます。
小田切様
お世話様です。
いつもご高覧いただきありがとうございます。
コメントにも感謝します。
つい2,3月ヶ月前、日常的に痛みから如何にして逃れるかを考えているような状態でした。
痛いに支配されている不安もありましたが、ここ1ヶ月でずいぶんと楽になりました。
徐々にトレーニングも再開しています。
改めて感じたこと・・・。
これからも、トライアスロンやりたいという強い気持ちが芽生えたこと。
そして、現状をを冷静に受け止めて、どうしたらやれるのかを模索していくしかないと
覚悟したこと。
この考えって、どんな事態にも当てはまるのでしょうね。
ぼちぼちやっていきます。
今後ともお付き合いのほどよろしくお願いします。
川村