もう2ヶ月で今年も終わりである。少し気が早いかもしれないが今年の振り返りや整理をしてみたい。
今年は70歳代最初の年だった。5月、突然発症した脊柱狭窄症に悩まされたが、様々な方々の応援や助言もあり、なんとか回復した。そして、趣味のトライアスロンレースにも出場できた。仕事も、得意先やスタッフとの変わらぬ信頼関係にも感謝したい。小さな会社を運営しているオヤジとして、消費税や厚生年金など本当に重い税金等の支払いには難儀しているが、それでも、なんとか健康に充実した日々を送れていることは有り難い。そして、来年1月2日の誕生日には71歳になる。
内閣府の2022年版「高齢社会白書」によれば、日本人の平均寿命は女性87.57歳、男性81.47歳である。一方、日常生活に支障なく暮らせる期間とする健康寿命は女性75.38歳、男性72.68歳である。これは2010年と比較したところ、男性は2.26年、女性は1.76年伸びた。この白書に準ずるならば、日常生活に支障なく暮らせる期間は、あと1年半ということになる。
『LIFE SHIFT ライフ・シフト』(リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著/東洋経済新報社)英国の経営学者と経済学者の2人が、下記のように言及している。過去200年間、人類の平均寿命は伸び続け、そこから導かれる予測として2107年頃に、主な先進国では半数以上が100歳よりも長生きする。となると、これまで80歳程度の平均寿命を前提に教育・仕事・引退(そして死)の3段階で考えられてきたライフコースは抜本的に考え直されなければならなくなる。
この言説を待つまでもなく、日本ではここ数年「人生100年時代」は、すでに当たり前のもとして認識されている。雑誌やTVなどで、老後問題・お金や健康について獏とした不安を煽るような内容の記事や番組も数多く見られた。とりわけ、2019年金融庁の金融審議会市場ワーキング・グループによる「老後20~30年間で約1,300万円から2,000万円不足する」という試算を発端に物議をひき起こし、問題にもなった。
目安として老後2,000万円必要だと。はたして、それだけの金額を貯められる人がどれほどいるだろうか。もし仮に、お金があれば本当に安心なのか。自分が高齢者となり、その場に立たされた身として向き合わざるを得ない事柄である。
もちろん、お金があれば不安要素を軽減することはできるだろう。しかし冷静に考えてみれば、必ずしもお金と安心はイコールではない。
老後の時間を「すべて休日にする」ためにお金を使うということは、そのお金で、自分以外の誰かが働いくれるからできることである。お金がいくらあっても動いてくれる人がいなければ出来ないことである。ついつい自分のことだけ見て暮らしていると周りや社会と切り離され、「お金さえあれば生きていける」という妄想世界に入る。それは「錯覚」である。それではご機嫌な老後は過ごせない。
僕が考える「老後をご機嫌に生きるため」のポイントは2つ。
それは、「健康」と「人間関係」。
まずは「健康」。
年間、2~3つほどのトライアスロンレースに参加してしている。
レースを楽しむためには、きちんとしたトレーニングが欠かせない。当然、身体のダメージもある(今年、脊柱狭窄症になった)人間ドックでの検診に加え、マッサージや鍼灸などのメンテナンスも定期的に行う。こうして健康(動ける身体)を維持管理をしている。
もう1つは「人間関係」。
最終的にセーフティネットとなるのは、お金や地位ではないと確信している。いかに良好な人間関係を作るかが、最大のポイントだ。自戒を込めて書くのだが、周りを見れば(無意識なのだろうけど)偉そうな態度をとっている老人がことのほか多い。そして気がつけば自己承認欲求ばかりが強く、近寄り難い人になっている。トライアスロンの練習会や、仕事で若い人との関係を築くとき留意していることがある。まずは、どんなことであれ、自分にないものを持っている人には敬意を払う。そして、年齢・性差で区別や差別をしない(具体的には大概、〇〇さんと声がけすることにしている)。つまり、マウンティングはしない。
なによりも、根幹となるは日々の生活態度。
・挨拶をする。・掃除をする。・身体を動かす。・妻の手料理を美味しく食べる。・人生の締切を見据えて行動する。
リア充を装うことではなく、健康に働けるうちは働くという、日々の暮らしを丁寧に過ごすことではないか。
2件のフィードバック
人生の締切を見据えて行動する。
この言葉が、すごく私に刺さりました。ありがとうございます。
夏休みの終わりになって、<急に宿題をやり始める生き方>を、
見直さねば。。。と強く強く思っております。
人生の締切を、今、それほど自覚していないことを、感謝しつつ。
自分を変えていきたいと思っています。
どうであれ、締切ざるを得ないのであれば、持して待つのではない有り様も
一つの方法ではないかと、思い至った次第です。
いつもコメントありがとうございます。
励みになります。