第988号『アキレス腱断裂リハビリ日記』

アキレス腱断裂で入院し、1月12日に手術。13日に退院してから、ほぼ2ヶ月が経過した。そして、来週8週目には装具(ギプス)を外す予定である。しかし今のところ、もと通りに歩けたり走れたりするという状態でない。あくまで、ギプスを着けなくてもよいというだけのことである。僕が目指してしている姿形は、トライアスロン競技に復帰することだ。できれば、5月14日に開催される「世界トライアスロンシリーズ横浜大会」への出場である。しかし、現時点ではかなり厳しい状況だ。だからといって諦めるにはまだ早い。現状を見据えながら、これまでの振り返りとこれからの方策を考えてみた。

さて、アキレス腱断裂の治療はプロトコル(回復のための手順)が確立されている。毎週1回の通院で、各段階ごとに以下の手順で進められてきた。

第一段階【1月13日】手術翌日から1週目まで:ヒール付きギプスで、松葉杖使用での荷重歩行開始。

手術直後に固定された合成樹脂製ギプスを外す。担当医が医療用電動ノコギリ(もちろん、身体に傷がつかないような仕様だが、キーンという音やノコギリ歯の形状でビビるくらい恐怖だった)で切り離し、リハビリ用の装具に変えた。そうすることでシャワーもギプスを外して浴びられるし、傷の様子を見られるので気持ち的にも随分助かった。しかし、その形は、まるでスキーブーツのようでもありロボコップか戦隊モノで変身したときの装備品にも見える。恐る恐る足を入れてみる。手際よくストラップを締め、装着完了。リハビリ室で装具を着けたまま、ぎこちない動作で歩行や階段の昇降練習をした。この日は、さすがに歩くことに不安をおぼえ自宅までタクシーで帰る。しかし、エレベーターの無い3階の我が家は自力で上るしかない。意を決し、一歩一歩階段を昇りやっとの思いで玄関までたどり着いた。そして扉を開け、3日ぶりの我が家へ。こうして、文字通り最初の一週間は閉じ籠もり生活だった。

第二段階【1月18日】1週目:補助として、松葉杖使用しての装具荷重歩行練習。

退院後、最初の検診とリハビリで湘南鎌倉総合病院へ。一週間ほぼ室内でのみの移動であったが、それでもギプスが傷口と擦れ5センチほどの水疱ができた。これが痛い。ギプスを外し、担当医の佐藤先生に水疱の処置をしてもらう。パンパンに腫れ足は、一週間経ってもあまり変わらず。検診後、別館6階にあるリハビリフロアに移動。担当指導士は、見るからに若々しく爽やかな印象の徳山先生。先生から、これから始まるリハビリの概要と、一週間の具体的な内容をレクチャーされる。その内容は、怪我をした左足の指と足首の曲げ伸ばし。1セット20回を3セット行うこと。そして、週を追うごとにリハビリのメニューは増えていくとも言われた。こうした日々行うものは、ルーティンにしてしまうのが一番簡単だ。だから、これまで朝の日課としているものの流れ組み入れた、・体操・筋トレ・ストレッチ、そしてリハビリメニューを加えた。

第三段階【2月7日】2週目~4週目まで:中間位までの足関節可動域運動(指と足首のリハビリ)の訓練。

手術後、大きく膨れた足も次第にその腫れが収まってきた。加えて、痛かった水疱も新たな皮膚が再生しほとんど痛みもない。佐藤先生から傷口もキレイに治っているといわれ、まずは一安心。その後、リハビリ治療に移る。これまでの左足の指と足首の曲げ伸ばしに加えて、タオルで足首を引っ張るというものとゴムテープをを使っての足首の曲げ伸ばしが追加された。いずれも、1セット20回を3セット行う。

第四段階【3月7日】5週目~7週目まで:両脚カーフレイズ(つま先立ちで踵を上下するリハビリ運動)。

2月後半には足の腫れも引いた。そして、足の皮がズルリと蛇の脱皮のように剝けた。傷口も塞がり、なんとなく痒かったそれもなくなった。2月に入ってからは整形外科での検診は隔週になり、ほぼ経過観察となった。リハビリに関しては毎週欠かさずに治療を受けている。足指の曲げ伸ばし、タオルとゴムテープを使っての足首の曲げ伸ばしなど4週目までリハビリは順調だった。そして、松葉杖なしでの歩行も可能になった。さらに、5週目から両脚カーフレイズ(つま先立ちで踵を上下する)が加わった。これが、思うように出来ない。怪我をした左足の踵が上がらない。7週目のいまも、まったくといっていいほどに上げれない。わずか2ヶ月で、足と脹脛の筋力がすっかり落ちてしまったのか。来週8週目第五段階からはギプスを外し、リハビリのメニューに、片脚カーフレイズ(怪我をした方の足でリハビリ運動)が加わる。いまでさえ出来ていないのに、果たしてどうなることやら・・・。

走るどころかスタスタと歩けるようになるのか、正直なところ不安でいっぱいだ。だからこそ、この不安を少しでも軽減するには、日々のリハビリを続けること。そして、楽観的にものごとを捉えること。それは、いつも一緒に通院に付き添ってくれる妻への感謝の気持ちも込めて、僕がいまできる精一杯のことだから。また、時期や状況をみて『アキレス腱断裂リハビリ日記』の続きを報告したい。

2件のフィードバック

  1. リハビリを続けてる姿が、見えてきました!断裂を経験しなければ分からない、生の世界を少し体感できた気がしてます。^_^
    焦らずじっくり治してください。応援してます。

    1. ありがとうございます。焦らず、リハビリがんばります。

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