第182号『プライド』

【レンギョウ】
【レンギョウ】

去年、今年と新しいメンバーを採用した。
自分の仕事が手に余るようになり、仕事が荒くなることを恐れたからだ。
そして、もう一つの理由は、組織ということを意識し始めたからである。
起業当初、自分の守備範囲で出来ることをしっかりやり、とりあえず自分が食べていけるだけのものを確保できたらいいや。
との思いで仕事をしてきた。
正直なところ、人を雇い入れて仕事をすることの煩わしさや、事業が失敗した時のことを考え、雇用することに多少の不安とためらいもあった。
当然のことであるが人を雇い入れるということは、まったく別のステージに立つことになると覚悟していた。
仕事を継続的にとらなければならない。
安定した売上げを毎月確保しなければならない。
この、鉄則を自分の内に持つこということである。
だからこそ、自分とファンサイトという会社を、より分かり易くする努力と、求人に応じてくれた一人一人に誠意を持って会うことに時間をたっぷりとかけることにした。

・ファンサイトという組織がこの世に存在する理由とは何か?
・もし、ファンサイトという会社がなかったら困ることとはなにか?
・ファンサイトの社風とは?
・仕事の内容は?
・「小さいけれど、あの会社にはかなわないな」といわれるような会社なるには?
・カワムラとはどんな人間か?

少々大袈裟で、気恥ずかしくもあったが様々な角度から、自分と会社を見つめ直し表現してみた。
こうして、自分と会社の輪郭が、朧げながらも見えてくると、どんな人材が必要かもはっきりとしてきた。

「ファンサイトが希望するひととは」
 □仕事に熱意があり、向上心と好奇心のあるひと
 □自分の強みを持っているひと
 □約束を守ることが出来るひと
 □ごめんなさいと素直に言えるひと
 □使命感を持ち、最後までやり抜く気持ちを持っているひと
 □家族や仲間を尊敬し大切に出来るひと

一言でいうなら「プライド」のある人だ。
「ファンサイト」は小さなベンチャー会社である。
ベンチャーの非力さや欠点を挙げつらうことで何かが解決できるはずもない。
欠点にも、平均値にも興味はない。
ただただ、その人の持つ良い面、つまり長所を伸ばし、その得意なところで勝負していくことだけを考え採用しようと心がけた。
プライドを持ち、強いところをとことん強くすることで生まれる魅力を存分に出せる集団にしたいと思った。

会社は人で成り立つ。
だから、会社が個性的で光るためには、ここに集まる人が個性的で光っていればいい。
いま、ファンサイトにはそんな新人たちが集まり出した。

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