ファンサイトのメンバーだった田中滋君の結婚式があり、出席させていただいた。
Jリーグチァマン、大東和美氏の後を受けての来賓挨拶という、分不相応な役を仰せつかり、久々に脈拍が早くなる思いをした。
それでも、なんとも気分の良い一日を過ごせたことに感謝したい。
それは、彼がファンサイトという塾のような会社を卒業し、名実共に飯が食えるようになったからだ。
田中は現在、Jリーグ鹿島アントラーズのいわゆる番記者として、Jリーグ公式サイト「J’sゴール」やサッカー専門誌「エルゴラッソ」などで、スポーツライターとして活動している。
すでに著作も「鹿島の神髄」をはじめ5冊と、期待の若手である。
彼との出会いは、ファンサイトが委託され運営していたアメリカのメジャースポーツ(アメリカンフットボール、バスケットボール、ベースボール、アイスホッケーなど)情報サイトのライター募集に応募してきたことがきっかけだった。
数人の応募者の中で、なんとも異質な存在だった。
面接当日、他の方々はスポーツ新聞や雑誌でライターとしての経験をもち、それぞれにその仕事なりを拝見することができた。
ところが、彼は、まったくもって経験も実績もなにも無く、履歴書1枚でやってきた。
経歴をみると上智大学文学部哲学科を卒業し、大手生命保険会社のSEとして数年勤めていたが最近、辞したばかりとある。
なんとも無謀なことと、その理由を尋ねた。
想いが静かだが、熱く伝わってきた。
馬齢を重ねて、見えてくるものがある。
例えば、「正しいこと」と「いいこと」とは違う。
例えば、人には「渡る人(あるいは飛ぶ人)」と「渡らない人(あるいは飛ばない人)」との2種類いる。
どちらが「正しい」、あるいは「いい」ということではない。
ただ、渡らない人は、調べに調べて渡らない思慮深さがある。
渡る人は、渡りながら考える行動力と勇気を持ち合わせている。
でも、どちらにせよ、自分の生き方に責任を持つという素敵な決断である。
そういう意味では、田中は渡った人である。
ファンサイトは小さな組織であるが故に、育て方にもそれなりの流儀がある。
徒弟制。
ファンサイトが塾のような会社だと言ったのは、そうした理由である。
僕自身,渡ってここまで辿り着いた。
そして、多くの師との出会いがあった。
デザインと構造主義を柏木博師から、映画と冒険を波多野哲朗師から、マーケティングと酒を宇田一夫師から伝授いただいた。
師は師を持つことでしか、なりえない。
この春、ファンサイトにまた一人、新たな塾生が入門する。
◆お知らせ-1◆
JAGAT 社団法人 日本印刷技術協会主催 2月4日(金)9:45より
「PAGE2011 情報デザイン新時代」セミナーでスピーカーとし出席します。
◆お知らせ-2◆
2月1日よりオフィスとアトリエの場所が変わります。
どうぞ、これを機に一層のご愛顧とご指導を賜りますようお願い申し上げます。
□神田錦町オフィス
〒101-0054
東京都千代田区神田錦町3-21
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T.03-5259-8622
□横浜金沢アトリエ
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ファンサイト有限会社
代表取締役 川村隆一