第480号『記録の効用』

【愛用の手帳】
【愛用の手帳】

7月、一年の折り返し、後半に向うところで手帳を見返してみた。

僕は、一日の出来事の多くの事柄を一冊の手帳に記録している。
誰と何処で何時に会う、といったスケジュールは勿論のこと、何時に何を食べたか、使ったお金、走ったり泳いだりした距離、体重、体脂肪、血圧などである。

始めたきっかは、たばこを止めようと苦心していた時のこと。
いまのように禁煙に有効な治療法も確立していなかった、随分と昔の話しである。
あれやこれやと試みたが、元来意志が弱いということもあってか、なかなか出来ない。
そんな時、知人から記録することで止められたという経験談を聞き、自分も試してみた。

方法は、極めて簡単。
ただ毎日、その日吸ったたばこの本数を記録するだけ。
1週間が過ぎ、2週間ほど経ったころ、少し変化が現れたことに気付いた。
一日平均40本ほど吸っていたたばこの本数も日によって多寡はあるものの、減っている。
記録する以外、特に、これといった対策もしていないのに。

しかし、確かに減ったという事実。
いまでは理解できることだが、その時はまるでマジックにかかったように驚いた。
つまり、たばこを止めたいと思う気持ちを記録し、可視化することで制止力が働いたのだ。

手帳に記録するということは、鏡に自分の姿を写し出すことに似ている。
例えば、走ることも泳ぐことも、それなりに、とりあえず出来る。
しかし、同じパワーや持久力で、よりスムーズに走る、泳ぐとなると少し事情は変わる。
そのためには、ビデオや鏡でフォームをチェックし、カタチを美しく保つ必要がある。

手帳に記された日々の行動をチェックし、そして自分が想い描いた姿に近づける。
帰し半年を振り返り、来し今年のゴールを目指して整えたい。

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