先週末、毎年恒例となった「南房総市ロードレース千倉」に参加した。
千倉漁港をスタートし、海沿いに10キロを走る。
今年は風が強く、復路に難儀した。
それでも、なんとか1時間を切るタイムでゴールすることが出来た。
有難いことである。
レースに参加することは、ボクの数少ない趣味であり息抜きである。
特に地方のレース参加は小旅行を兼ね、ドライブや地元の食を楽しむ機会でもある。
このレース、これまで参加の足として車を利用していた。
しかし、今年は違った。
何故なら、車を持たない暮らし方に変えたからだ。
ふとした偶然が重なり、大学時代の友人に貸し出してからほぼ1年になる。
普段、車を持たずとも都市生活に困ることはない。
むしろ、酒を愛するものとしては、持っている方が面倒なことが多い。
しかし、もしもの事態や、ちょっとした遠出の時に困るのではとの思いもあり、長年
なかなか車を手放すことが出来なかった。
しかして、今回、そのちょっとした遠出の事態が生じた。
馴染みの宿、千倉の「バードランド」には事前に予約済み。
さて、問題は道行きである。
アトリエのある横浜金沢から、どうやって南房総千倉まで行くか。
去年までは、湾岸線並木から海ほたるを経由し、館山道で千倉へ。
いつでも、自分の好きな時間に移動できた。
事体が変わり、調べてみた。
東京駅まで行き、そこから千葉を経由しJR内房線を利用する。
所要時間4時間7分、料金4,070円。
あるいは、同じく東京駅まで行き、バスで館山行き、千倉で途中下車。
所要時間3時間34分、料金3,280円。
そしてもう1つ、フェリーを使う方法。
これが良かった。
京急線で久里浜まで行き、駅からバスで久里浜港へ。
久里浜港から金谷港まで50分。
さらに、内房線浜金谷から館山経由で千倉まで。
所要時間2時間51分、料金1,760円。
(車なしでフェリー乗船の場合、大人1人片道700円)
結果、時間も料金も大満足。
そもそも普段、フェリーに乗船する機会がない。
一気に旅モードのスイッチが入った。
すると、かつてアジアやヨーロッパを旅したころの幾つかのシーンが脳裏に浮かんだ。
なぜか決まって、バスや鉄道の陸路からフェリーで海峡や湖を渡るとき感じた寂寥感
のようなものまで蘇った。
ふと、目をやると、フェリー乗り場待合室前にある花壇の秋桜が浜風に揺れている。
旅をした。
そんな気分を味わうことができた。