ロングピースが好きだった。
日に20本は吸っていた。
乳白色のソフトなパッケージ。
フィルター付きであるが、ニコチンもタールもたっぷりと含み、深い味わいがあった。
そういえば、フランク・シナトラが来日した時、吸っていたマルボロが切れ、楽屋に
居合わせた関係者からロングピースをもらい口にした。
ニコリと笑い「こんなにうまいタバコが日本にあるのか」と驚いたと言う。
誰に対しても気さくな、シナトラらしい逸話である。
禁煙して30年以上になる。
理由は、トライアスロンを始めたから。
泳ぐ度に、300メートルを超えたあたりから息苦しくなる。
30歳を過ぎて泳ぎを覚えた身としては、大袈裟ではなく、完泳するか溺れるかの選択
を迫られたように感じた。
そして、タバコを止め続ける生活を選んだ。
ではどうやって、10年以上習慣化した喫煙を止めることが出来たのか。
「止め続ける」にせよ「やり続ける」にせよ、続けるには意思というよりは、コツのよう
なものが必要だ。
・思い立ったその時から始める。
「止めよう」あるいは「やろう」と思ったその日が始める時である。
・ともかくも、毎日続ける。
例えば、途中で1、2本吸ってしまったとしても、そこからまた始める。
・ノートに書き、数字で見える化する。
ボクは意志薄弱なところがあり、スパッと止めることができなかった。
そこで、吸った本数を記録した。
そのうちに、吸っている本数(日に10本として30日で300本、3ヶ月で900本)に驚き、気分
が悪くなった。
・習慣化している場所から移動する。
よく考えると、吸うシーンごとに場所がある。
寝起きに、食事後に、酒の場で・・・
そのシーンの場をずらす。
例えば、いつもなら食事後の一服となるが、その席を立ち別な場所でタバコの代わりにお茶を
飲む、といった具合に。
実は、「止める」ことを阻止している一番の敵は、「止めたら自分らしくなくなる」
という自分自身の思い込みである。
だから、これまで習慣になっていることを「止める」あるいはこれから「始める」
ということは、いずれにしろ自分らしさの構築への作業である。
つまり、習慣化とは自分づくりのための日々の更新作業のことなのだ。
お礼
ファンサイト通信550号をお読みいただき、ありがとうございます。
12年間、書き続けることを習慣化してきました。
そしてほぼ毎週金曜日、配信してきました。
(Facebookでは木曜日公開、検索はカタカナでカワムラリュウイチ)
それは、ボクの自己証明であり「自分らしさ」を支えている習慣といっても
過言ではありません。
これからも、ポツリポツリと書き続けます。
今後ともご高覧のほど、よろしくお願いします。