よく言われることだが、なぜ地球上で2億年にわたる栄華を極め、最強だった恐竜
が絶滅したのか。
答えは、変化することができなかったから。
その有力な一説として、大隕石の落下後の爆発により、大量の粉塵が太陽光を遮り、
急速な寒冷化に至る。
そして、植物が枯れ、草食獣が倒れ、肉食獣が飢えて絶滅した。
この事例から導き出される教訓は、企業もまた生き延びるためには、外的要因に
合わせ絶えざる変化対応が必要であるということだ。
ところで、なぜ、そもそも恐竜は大繁栄を遂げたのか。
この話しは知らなかった。
先日、後輩のMから教えてもらった。
2億5千年前、地球規模での巨大噴火が発生。
この噴火にともない、大気中の酸素が減少し、加えて大量に二酸化炭素が放出、
それによる超温暖化。
多くの種は、この超酸素欠乏状態に耐えられず絶滅したという。
生き残ったのは、気嚢という空気中から酸素を効率的に吸収できる仕組みを持つ
恐竜、植物のシダ類(恐竜の餌となった)そして、わずかばかりの両生類とほ乳類。
こうして、地球上は恐竜の天国となった。
しかし、最強といわれた恐竜にも弱点があった。
それは、変温性。
もともと、は虫類ゆえ、体を常に温める仕組みを持っていない。
したがって、寒いと動けない。
これを克服するために、体を大きくした。
そうすれば、体重に比して表面積が小さくなり保温しやすくなる。
こうして、大型化の道を辿ることになった。
そして、この巨大化こそが、恐竜だけ(ヘビやワニの両生類とほ乳類は生き残ったの
に)が絶滅した原因であった。
再度、この事例から導き出される教訓とは何か?
個人であれ企業であれ成功や発展は、環境や時代と仕組みや気質、能力が、うまく適合
したからこそである。
しかし、そうしたものの多くは、環境変化に対し外的変化(大きく見せたり、手続きを
複雑にして知的に振る舞ったりと、見かけ)で耐えようとする。
そして、本質的な対応力に欠けているがゆえ、大きな環境変化が起きたとき、突然破綻
する。
強さ(成功)も弱さ(失敗)も、その大型(見栄)化にある。
それでも、他を圧倒し、飲み込んでいくパワーを持つ大きさに依拠するのか。
それとも、いつ踏みつぶされ、飲み込まれるかと、打震えながらも、独自性に拘泥する
のか。
何をもって成功とするのか。
答えを出すことは、以外と難しい。