第630号『シンプルなことが一番むずかしい』

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【見上げたら、赤い花が咲いていた】

歩くことは意外とむずかしい。

ある日、ランニングの途中で、トライアスロンの専属のトレーナーをお願いしている滝川
氏から、右肩が下がっていると指摘された。
腕の振りや足首の使い方など、細かく動かし方を教えてもらい修正してみたが、なかなか
改善されない。

次に、走るのを止めて歩く。
さらに、動きを見て、こんどは真っ直ぐに立ってと言われた。
なんだか、意識したからか、なんとなく右に傾いているように感じた。

トレーナー曰く、「もしかしたら、右足が少し短いのかも」とのこと。

長年、身体に対してなんの手入れもしていない。
使いたい放題。
それも、相当に乱暴な扱いをしてきた。
そりゃ、あちらこちら歪みや縮みもあるだろう。
考えてみれば、日常気がつかないうちに、ポケットに手を突っ込んで猫背気味に歩いたり、
座ればすぐに足を組んだりと、自ら背骨や骨盤の歪みを生み出す仕草や動作をしている。
これでは、肩にも腰にも良いわけがない。

翌日、トレーナーに教えてもらった姿勢を意識したストレッチと歩き方を実行してみる。

まずは、鏡に向かって真っ直ぐに立つ。
これがなかなかできない。
やはり、右肩が下がっているし、頭も傾いている。
しかし、根気よく続けていると自分の身体が真っ直ぐになることを望んでいるかのように、
筋肉や細胞が微調整してくれているように感じる。

まずは、少し隙間のあるO脚気味の膝がくっつく。
次に、腰の周りの腹筋と背筋がクリクリと締めつけられたような感覚になる。
この間、10分ほど。
これでも、結構な汗が出てくる。

背中の健康骨を意識し、胸を大きく反らし広げる。
そして、頭から背筋を通してお尻まで真っ直ぐにする。
少し上に視線を保ち、ゆっくりと大きな歩幅で手を振り、リズミカルに歩く。
こうして歩くだけで、しばらくすると額や脇の下にびっしょりと汗が噴き出る。

頭の天辺からつま先まで一本通っているように感じる。
なんとも気持ちのいい。

すべてに言えることだが、シンプルなものほど難しい。
だからこそ、反復し身に沁みるまでやるしかないのだ。

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