【書店にて】
得意先から電話があり、予定していた会議が、突然キャンセル。
次の打ち合わせの場所への移動を考えると、オフィスに戻るのは効率が悪い。
こうして、ぽっかりと2時間ほど空白ができた。
観たい映画があることを思い出し、近くの映画館を調べる。
しかし、上映時間が合わない。
都合よくはいかないものだ。
さて、どうしたものかと思案する。
駅に隣接する複合テナントビル、ユニクロ、無印良品、ユナイテッド・アローズと
店内を見ながらぶらぶらする。
そして、チェーン展開の書店に入った。
本屋さんに足を向けるのは、本当に久しぶりのことだった。
店の入口近く、ポップに飾らた書籍が並ぶ。
これが、いま話題になっている作家や、タイトルなんだろうなと思いながら、平台
に展示されてる本を眺める。
さらに店内の奥に入り、文庫の並ぶコーナーへと向かう。
特に探している本があるわけではないので、タイトルを流し見ながら移動していた。
そして、目線がぴたりと止まった。
『友がみな我よりえらく見える日は』上原隆著(幻冬舎アウトロー文庫)。
ノンフィクションのコラム集である。
市井の人たちの心の陰影を丁寧に取材し、平易な言葉遣いでさらりとまとめ上げて
いる。
すーと読めて、すーと腹に落ちた。
それにしても、凄いタイトルだ。
上原隆という作家も初めて知った。
考えてみれば、本はアマゾンなどネットで買うのが当たり前になっている。
だからある意味、買って失敗することはない。
なぜならば、自分が予め知っている(内容を予想できる)本しか手にしないのだ
から。
この日、ぽっかりと空いた余白の時間が、新たな本との出会いを作ってくれた。
人であれ、モノであれ、コトであれ、予期せぬ出会いがなければ、広がらない。
定期的に、本屋さんを探索しなければと思った。
—-お知らせです—-
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■「課外授業 ようこそ先輩 川村元気さん」
『世界から1年2組が消えたなら』
ナレーター 山田孝之さん
放送日:2016年2月26日(金)
【Eテレ】金曜午後7時25分~7時48分
再放送:2016年2月29日(月)
【Eテレ】月曜午後12時25分~12時48分(再)