第760号『66歳の初心』

【穏やかな黄昏時の水辺】

新しい年を迎え、最初のファンサイト通信である。
さて年が開け、1月2日は僕の誕生日。
そして、66歳になった。
正月休み、久々にのんびりとした時間、来し方行く末に、あれやこれやと思いを
馳せた。

生まれてから死ぬまでの時間が、その人の一生。
その時間を使い切った時が、その人の人生の終わり。
人生は思いのほかに短い、という現実をよく見つめると、限りある日々を精一杯、
大切に生きようという気持ちになる。
悔いなき人生を・・・。
だから、今日という日は二度と来ないという事実を見つめること。
そして、これまで少し前のめりになって行動し生きてきた。

66歳が、どんな意味を持つかは人それぞれだろうが、少なくとも残りの時間も肉体
的な許容量も、それほど有るわけでは無いという自覚は有る。
あれもこれも、出来るわけではない。

(ソレデモ、なのか、あるいは、ダカラコソ、なのか接続詞に迷うが)僕にはやり
続けたいことがある。

順不同に記す。

・会社運営
・ファンサイトマーケティングの普及活動
・ファンサイト通信の配信
・トライアスロン競技
・酒(燗酒)を飲む
・映画鑑賞
・大学と専門学校で講師として後進の育成
・家族、妻と過ごす時

(100の煩悩?を捨てて)絞り込んでも8つもある。

では、続けるための戦略とはなにか?
それは、しすぎないこと・・・過ぎたるは猶及ばざるが如しである。

欲張りすぎて、仕事の質を落とすな。
トレーニングしすぎて、怪我をするな。
飲みすぎて、酒を不味くするな。

老後の風体に似合ふことを習うは、老後の初心なり。
老いてこそ、ふさわしい技芸というものがある。
だから、(初心とは、その時々の年齢と場所に応じた戦略的野心のことだ)それに
挑むべきだと。

およそ600年ほど前、能の世界で勝ち抜くための作法を説いた戦略本『風姿花伝』
で世阿弥は、そう説いている。