第817号『見守ってくれている』

【骨壺】

4月は、ちょっぴり悲しい。

母が2007年4月8日に亡くなり、父は2013年
4月11日に死去した。
偶然だろうが、ふたりとも同じ月、そして僅か3日の
違いで逝った。

考えたこともなかったが、案外、仲が良かったのかな
と思った。

義妹が、いつものように朝、母を起こしに行くと寿命
(特に大きな病気を抱えていたわけでもなかったので)
を全うしたかのように、静かに亡くなっていた。
父は、風邪をこじらせ、肺炎で入院し、6日目の朝に
息を引き取った。

あまりにも、往生際が良すぎる両親だ。
なにひとつ、親孝行らしいこともできないままだった
から、もっともっと一緒に旅行に行ったり、面倒なこ
とや、いっそ迷惑もかけてほしかった。

ところで、菩提寺のある津軽には、もうかれこれ3年
(前回帰ったときは、弘前城の桜がこれでもかと、狂
ったように咲き誇っていた)も帰ってない。

父も母もいない。
加えて、47歳で亡くなった弟もいない(四人家族で、
残ったのは僕だけになった)実家への足が、遠のくば
かりだ。
でも、ふとしたことで亡き父母、そして弟が、見守っ
てくれていると感じる時がある。
僕が、何かしらの判断に困ったり、迷った時に。
あるいは、ふいに後押ししてくれる何か(目に見えな
いパワーのようなもの)を感じた時に。
それは、彼らが僕の暮らしの中で、今を生き続けてい
るからだろう。

せめて、このGWは静かに父母、そして弟のことをあれ
これと思い出しながら、(父、母、弟の骨をほんの少
し分けてもらい、小さな骨壷に入れ、手元に置いてあ
る)壺を眺め、ゆっくりと過ごしたい。

【GW、ファンサイト通信お休み期間のお知らせ】

例年通り、GW休みを設けさせていただきます。
4月26日(金)5月3日(金)の2回。
次号開始は、5月10日(金)からの配信予定です。
引き続きご高覧のほど、よろしくお願いします。