【Times CAR SHARE】
先週末、所属している横浜トライアスロン研究所(YTRI)の仲間たちと、三浦半島和田長浜海岸周辺での模擬レース形式の練習会イベントに参加した。
コロナ禍の影響もあり、外での活動といえば週に1、2度のバイクとスイムの練習参加以外、ほぼどこにも出かけることがなかった。
勿怪の幸い、妻の手料理が美味くなったのは喜ぶべきことだったが、このことを除けば、我が家ではこれといった事件もない夏だった。
それでは、ということで、この三浦半島での夏イベントに妻と参加することにした。
日曜日「三浦YMCAグローバル・エコ・ヴィレッジ」に6時、集合。
8時、「三浦YMCAグローバル・エコ・ヴィレッジ」の前にひろがる和田長浜海岸でのスイムからスタートする。
この、予定で進行するなら、4時前には動き出さなければ間に合わない。
しかし、バスも電車も動いていない。
ということで、「三浦YMCA」に前泊することにした。
ここで浮上してきたのが、移動手段である。
トライアスロンはスイム・バイク・ランの3つを続けて行う競技で、道具も多い。
バイクやヘルメット、ウェットスーツ、そして着替えなど諸々の荷物もある。
どう考えても、車での移動のほうが確実に楽だ。
ただ、我が家には車がない。
数年前、車を手放した。
妻も僕も酒が好きで、出かけた先で地元の料理とともに、ほぼ確実に酒を呑む。
車で出かけると、どちらかが我慢するか、二人とも呑まずに帰るかである。
なんだか、とても寂しい気分になる。
こんな気分を数回味わって、僕らに車はいらないと判断し、廃車にした。
だから、今回のような事態になったときは、レンタカーを利用していた。
ただ、いちばん近いレンターカーが3駅ほど移動し、しかも駅から歩いて10分以上かかる国道沿いにある。
使い勝手がすこぶる悪いのだ。
そこで、今回カーシェアを利用してみることにした。
実は、「ファンサイト」(弊社が提供しているファンコミュニティサイト運用)という実践をとおしてシェアリング経済には、興味があった。
しかし、これまで利用したことがなかった。
概念としては理解していたし、バイクシェアリング(神田オフィスのある、ちよだプラットフォームスクウェアに併設されている)もエアビーアンドビー、メルカリの活動も知っていた。
でも、正直なところ、なんだかこころの障壁があった。
シェアするって、なんとなく「しかたなく」するものではないか。
ちょっと「かなしい」そんな気分になりそうで、手を出さなかった。
でも、今回、もう一歩踏み込んで冷静に考えてみた。
以下は、一般的に車の購入費やローン返済は別として、おおまかな維持費としてかかる費用一例である。
・自動車税は年間で29,500円~
・自動車重量税は年間16,000円~
・車検は年間80,000円~
・自動車保険料(自賠責保険料)は13,000円~
・ガソリン代は年間で100,000円~
・駐車場代やメンテナンス代は年間100,000円~
上記でかかる費用を全て合わせると最低でも338,500円、これにプラスして購入時のローン返済金額が上乗せされる。
自家用車の維持費が例えば年間50万円だとすると、1ヶ月で換算すると50万円÷12ヵ月=41,666円。
自家用車を持つことで得るメリットを考えて見た。
・利用に制限なく、自由に出かけたいときにすぐ出かけられる。
・車を、自分仕様にカスタマイズ出き、愛着がわく。
・時間が限られていないので、長時間の利用が出来る。
この(僅かな)メリットを享受するために、お金、時間、そして環境への累積効果など、計り知れないデメリットがある。
そして、再度みんなが目を見張るような、自分の車に乗って颯爽と出かける姿を想像してみた。
はたして、これって「かっこいい」のか?
否、いまや車を持たないことが贅沢であり、ある種のステータスではないか。
あと数年もすれば、欲望のまま保有することは「かっこわるい」ことで、共有(シェア)することのほうが「かっこいい」ことにマインドが変化するだろうことに、多くの人が気が付きはじめている。
つまり、僕が感じていた障壁とは、(シェアという仕組みに対する)コンセプトではなく、ブランドイメージなのだ。
このテーマはとても重要なことなので、別な機会にさらに言及してみたい。
ともあれ、シェアカーの登録をした。
PCで必要な項目と免許書画像を入力し、送信する。
きわめて、簡単な作業を完了し、数日後にメンバーカードが送られてきた。
僕が利用したのはTimes CAR SHAREだが、このPCサイトから最寄りの駐車場(自宅から、徒歩で2,3分の賃貸URの駐車場に3台あった)を探し、利用可能な車を選び、使用時間を入力する。
ほぼ、これだけの操作で準備完了である。
当日、シェアする車が置かれた駐車場に予約した時間どおり到着。
周りを見渡しても、係員はいない。
ゆっくりと車に近づき、車の回りを一周する。
車体の傷や凹みをチェックした。
さて、次にドアの鍵を開ける。
開けるためには、送られてきたメンバーカードをウィンドウに印字されているガイドラインにタッチすることと明記されていた。
指示どおりカードを押し付けると、「カチャ!」という音とともにドアの施錠が開いた。
ドアをあけ、荷物を積み込み、ミラーを調整し、そしてエンジンをかける。
ここまでの一連の流れがあまりに簡単で、呆気にとられるほどだ。
こうして、僕たちは夏の終わりの三浦海岸へと出発した。