【CN-313】
今年、2月初めのころから囁かれはじめた新型ウィルスの感染。
TVのワイドショーでは、クルーズ船ダイヤモンドプリンセスでの状況や海外での感染の模様が報じられていた。
なんだか大変そうだけれど、自分には関係のない対岸の火事と感じていた。
3月になり、国内でも感染者数が拡散し、その勢いは増すばかりとなった。
とはいえ、まさかその時は神田オフィスを撤退するなど思いもしなかった。
3年前、横浜から神田に拠点を移した。
狭いながらも都心にオフィスを持つことで、社員や協力していただいているメンバーの通勤や仕事の環境が改善された。
3月中旬、営業の要で取締役の川村大輔(同じ名字であるが親族関係ではない。が、もはや親族同様である)から、話があると言われた。
彼の口から出たのは、業務をリモートワークへ移行するべき、との提案だった。
そもそも、今夏オリンピック開催期間は東京都内の混雑は異常な事態になると言われていたが、その前にコロナ禍が到来してしまった。
いずれにしても、遅かれ早かれ訪れる問題ではあった。
たしかに、このままいけば海外同様、都市封鎖の事態が起こりうるかもしれない状況だった。
しかし、いくらなんでもいきなりオフィスを閉じることは出来ないだろう。
そもそも、この神田のオフィス(空き部屋が出るまで)を予約してから5年も待ち、ようやくスペースを確保することができたのだ。
さらに、仮に解約するにしても、契約での規約もあり直ぐにできるわけではない。
いずれにしても、リモートワークにするならこのスペースをいつまでも保持することはできない。
ともあれ現状をしっかりと捉え、大切な事は何かと熟考することにした。
・リモートワークへの転換のメリットとデメリット。
・コロナ禍はいつまで続き、いつ収束するのか。
・部屋を解約するか、しないか。
・撤退するとなれば、いつどのタイミングでするのか。
・そして、移行するための費用は・・・等々
頭の中で、ぐるぐると考えが駆け巡った。
そして、思ったことである。
こうした事態で、本当の意味で大切なことは何か?と。
それは、原理原則とファクト(現状の事実)を踏まえ、「普通ならこうする」という常識らしさの空気に押し流されない感覚だ。
そして、勇気をもって素早く決断することだ、と。
社員の意志を再度確認し、リモートワークに必要な機材、各自の環境整備とそのための一時金、月々の手当などを取り決めた。
この間、大輔が必要な機材、手順、費用をまとめてくれた。
そして、3月末には神田オフィスの解約手続きをした。
こうしてリモートワークに移行してから、ほぼ6ヶ月が経つ。
細かいところであたふたする場面もあるが、それは微調整していけばいいだけのこと。
おかげさまで、いまのところ得意先とのZoomを使っての打ち合わせも、ネットの業務管理ツールを活用しての作業も大きな混乱もなく成立している。
余談だが、週1回社員みんなで参加するリモートお茶会をやっている。
仕事の話は原則なし、それぞれにお菓子とお茶を用意し、雑談を小一時間する。
家族のこと、食事こと、最近の関心事など、なんでもありの雑談をしている。
みんなの気持ちが(ファンサイトのチームとして)つながる大事な時間である。
先行きが見えず、時代が大きく動いていくなかで不安な面ばかりが強調されるが、そのなかで何が本質かに気付き、勇気をもって行動することが必要だと、改めて思い知った。
時間はかかるかもしれないが、その結果として新たな方向性が必ず見えてくるはずだ。
そう信じて、ニューノーマルへと一歩踏み出すことにした。