安保法案の一週間だったでしょうか。
海外にいると、普段より日本のニュースは気になるのが本音です。
ネットのニュースやSNSは、台風と安保の話題で持ちきりだった気がします。
政治の話題はなかなかセンシティブで、
くわえて、人生経験が40年程度で、まだそこを思考するにいたっておらず、
日々暮らしていくことに精一杯で、
政治家と呼ばれる方々にすべて任してしまっているのが、正直なところです。
そろそろ、このような類のことに意見も持つべき年頃なのかと思い、
いろいろな方々の諸説を伺いながら考え始めています。
一朝一夕には、意見も成立しないような話題ですが、
著名な方の意見に、同調したり異論を唱えたりはできます。
金融マン・実業家・父親として、僕が尊敬している先輩がいらっしゃいます。
その方の意見のごく一部を抜粋すれば、次の通りです。
子供の友人関係におきかえ、
「喧嘩は好ましくないが、喧嘩するときもあるだろう。
そのとき3発まではやられても我慢し、それ以上は正当防衛だからやり返せ。
でも、できれば反撃せずに家に持ち帰ってまずは父親に相談しろ。」
と教育しているそうです。つまり個別的自衛権を基本的には容認しているのです。
しかし
「お前の親友が喧嘩していたら、お前も加勢して彼を助けろ。それが友情だ。」
とは、教育していないそうです。集団的自衛権は認められていないのです。
なるほど確かに。
子供にどのように教育すべきか考えると、すべてシンプルになります。
戦争にいくとすれば子供達またはそれ以降の世代です。
合憲違憲の議論や背景事情たる東アジアの安全保障の問題もあるでしょう。
ただ、漠然とですが次の世代で起こりうることに不安がつきまといます。
今回の法案は徴兵制度やいわゆる参戦には結びつかないとのことですが、
はたしてどうでしょうか。
ちょうど梅雨が明けて、夏休みが始まるこの頃。
雨上がり竹林を走り抜けて、青くなった空に、
止まらない気分の高揚を感じたのを今でも鮮明に覚えています。
ラジオ体操で普段クラスでは接することのできないお兄さんお姉さんに
憧れを抱いた新鮮な気持ちを今でも思い出します。
一杯の麦茶、プール前の検温、盆踊り、PL学園の校歌、花火、屋台のラムネ、
虫取り網、スイカわり、ヒグラシが奏でるBGM、従兄弟たちとの怪談…
「日本の夏」の思い出はつきません。
僕にとって、戦争も夏の思い出のひとつです。
夏休み。子供の頃、テレビでは毎日のように終戦特番が流れていました。
否が応にも戦争を疑似体験したものです。
「ガラスのうさぎ」を観て、その夜、夢の中の東京大空襲で涙しました。
小学校の図書室と各教室の本棚に「はだしのゲン」が並んでいました。
文化評論や教育評論はよくわかりませんが、
「戦争は怖い」「良くないこと」という印象が、幼い心に植え付けられました。
夏休みは日本の教育機関では正式に「夏季休業」と呼ばれ、
普段学校では体験することのできないことへの児童・生徒の挑戦を、
この期間、期待される教育効果としているそうです。
僕たちが幼い頃感じた戦争への漠然とした恐怖。
それくらいは、伝えてみたいと思います。
終戦70年の「日本の夏」、日本で過ごすのも悪くないはずです。
蚊取り線香のにおいが、なつかしくなってきました。