8年にわたる交際に終止符が打たれた一青窈が、
失恋のたびに、羽田空港へ来て、行き先を決めずにとびたち、慰められてきたと、
失恋エピソードを語りました。
僕も空港が好きで、
失恋して来たことはありませんが、ふらっと寄ってみて、元気をもらったりします。
広い開放的な空間で行き交う、人々がもつ様々なエピソード、
出会いや別れの場でもある空港は、ワクワクな要素がつまっています。
パタパタと音をたてて、出発と到着の便を知らせる掲示板。
いくつかの言語でなされるコードシェア便の空港アナウンス。
チャイム音。轟音とともに、とびたつ大きな機体。
心を高揚させられるのは、僕だけではないはずです。
幼い頃、毎年、春になると北海道から祖父母が横浜にある我が家に遊びに来ました。
無条件に猫かわいがりしてくれる祖父母の到着を羽田で待つワクワク感は
言葉にできないものがありました。
家族が増える喜びなのか、食卓を美味しくしてくれる祖母のやさしさなのか、
なんだったのか覚えていませんが、思い出すと胸にこみ上げてくるものがあります。
あたたかい、ひとときの思い出です。
いま僕は、
出発の少し前に時間があれば、コーヒー片手に普段読まない新聞を読み、
行き交う人々の吐息を感じながら、次の目的地でのワクワクを想像していたりします。
慣れない地域での乗り継ぎでは、まず無料WiFiのスポットを探します。
慌ただしかったり、うまくいかなかったり、そんなことばかりです。
仕事はまずもって、つまづきます。自分自身のフォローで精いっぱいです。
でも思い出すのです。到着ロビーでワクワクしていた6歳の自分を。
無邪気にわけもなく楽しく、期待と夢でみたされていた自分の姿を思い出して、
元気をだすのです。
離れて暮らす家族が、この空のむこうで元気にやっているかを案じ、
次に会える日を楽しみにして、元気をだすのです。
空港はワクワクで溢れています。