第8回 デフレマインド

プライスネス
プライスネス

「この道しかないんです。」
自民党総選挙ホームページに書かれた、自民党公約、総裁の挨拶です。

なるほど、確かに万策つきて、あるいは何もできず、
問題が先送りになり続けてきたのが国政なのかもしれません。
もはや「この道しかない」と決めて、信じて進むしかないというのが
アベノミクスの本音なのだと思うし、そこは総裁挨拶も正直なのだと納得させられます。

政府と日銀の連携でこれまでとは異なる次元の金融緩和で流通する資金を増やし、
デフレマインドを一掃するのが、「第一の矢」。
日銀は、2013年1月に、「物価安定の目標」を消費者物価の前年比上昇率2%と定め、
これをできるだけ早期に実現するという約束をしていますが、
なかなか物価上昇が思うように進まないというのが現状です。
放たれた第一の矢によってなかなかデフレマインドが解消されていないように見えます。

はたして本当にそうなのでしょうか。
100円ショップにレトルトのカレーが並び(しかも、食べられる程度に不味くはない)、
1,000円で髪を切ってもらえ、3,000円も出せば高級食材を、立食を我慢しながら口にできます。
これらの現象は、金融緩和で流通する資金を増やすことで、なくなるのでしょうか。

デフレマインドの正体は、日本人の気質にあるのではないかと、僕は思います。
少しでも良質なサービスを少しでも安くお客様に届けたい。
昨日より一歩でも前に進み、より利便性の高い製品を創りたい。
そして、「他店と比べて1円でも高ければ安くします。」「早い、旨い、安い。」・・・

商品やサービスを提供する側が、創意工夫と弛まない努力で、
良質なサービスをミニマムコストで実現してしまうのが、
日本人の気質でありプライドでもあるのではないかと、僕は思うのです。

消費税が5%から8%の上げられたとき、
多くの下請け企業や小規模の小売店舗が、価格に転嫁できず、
工夫して3%コストを削減してやりくりしたのが、現実です。

このような創意工夫ができるからこそ、もう一度、価格と時間のバランス感覚を取り戻し、
自らが提供したモノや時間に相応の価格をつけられるようになりたいものです。
消費する側も、立食で隣とぶつかりながら高級食材を頬張ったり、
100円のレトルトカレーを求めたりしないようになってほしいものです。

そして、おそらく再選されるだろう安倍首相こそ、
「この道しかない。」と決めつけずに、いろいろと工夫し我慢し努力し、
日本人の気質をフルに発揮して、いろいろ模索していただきたいものです。
いまこそ「がんばれニッポン」。

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