折込広告文化研究所の鍋島です。
前回に引き続き、我が関心事、地域をデザインしているイノベーターを紹介します。
へぇ~、こんな面白い人が、こんな素晴らしい人が、いるんだ~と軽く受け止めていただければ幸いです。
「地域イノベーター」シリーズその4
今回の地域イノベーターは、全国の商店街で開催されている「得する街のゼミナール」略して「まちゼミ」の創設者の松井 洋一郎(まつい よういちろう)さんです。
<松井 洋一郎さん>
今回の地域イノベーターは、現在、全国306ヵ所の商店街で開催されている「まちゼミ」の創設者であり、地元「岡崎まちゼミの会」代表、内閣官房地域活性化伝道師、経済産業省タウンプロデューサー、中心市街地活性化アドバイザーの松井 洋一郎(まつい よういちろう)さんです。
全国の商店街が衰退していくなか、地域の中小零細事業者の応援団として活躍しているのが松井さん。全国の地方新聞社が推薦する地域再生大賞で準大賞を受賞した「まちゼミ」とは?
「まちゼミ」とは、商店街や地域活性化の取り組みのことで、「得する街のゼミナール」略して「まちゼミ」です。
地域事業者(商店街の店舗)の強みは、品揃えや価格だけでなく、商いをする人の魅力なのです。
まちゼミは、自分の店舗で店主さんやスタッフの方たちが自分自身の強みである知識や技術を伝え、お客さんに自らのファンになってもらうための文化教室を店舗の中でやる取り組みなんです。
松井さんが地元の岡崎市でまちゼミを始めたのは、1990年に中心市街地の商業額が約550億円あったのが平成に入った頃から衰退し、もう一度、人を呼び込もう、何かをやろう、とイベントや祭り、歩行者天国をやりましたが、イベント当日に人が来て賑わったかのように見えても、その日だけ。そこで「来続けてもらう」には、どうしたら良いか?
松井さん、そこで志向を変え、街に人を呼び込むのではなくて、お客さんが多く訪問する個店を増やすことが出来れば、街はもう一度復活できると考えたのです。
2003年、10店舗から始め、今では岡崎市内3地区で200弱の店舗が参加し、全国でも306地域の商店街が「岡崎モデル」として、この取り組み「まちゼミ」をやるようになりました。
<まちゼミの様子>
まちゼミは、1時間、お客さんとコミュニケーションを店内で取ります。お客さんの人数は20人だとセミナーや講演会になるので、基本まちゼミはコミュニケーション事業なので、人数は5名前後の少人数が良いそうです。お客さんの考えや気持ちが伝わるくらいが一番良いとのことです。
参加店にとってのメリットは、来たことのないお客さんが来て、かつ、概ね20~30%くらいの人が、再来店します。
店主さんが教えているように見えて、実は店主さん自身が一番教えられており、店主さん自身の勉強にもなっています。
お客さんのメリットは、材料費が数百円かかる場合もあるけど基本的には無料なので、結果、お客さんが次々に友達を誘ってきて、どんどん良くなっているそうです。
松井さんは、このまちゼミを通じて「中小零細の一軒一軒が、まちの機能であって、まちの機能が豊富にあるまちは、やはり住む人に取ってみても、ここで子供を産んで一生暮らしてみたいと当然思う。そこが大切だ。」と強調します。
また、個店を良くするために大事なことが3つあると語ります。
「ひとつは、自分の商いに対するプライド。ふたつ目は、つながり・連携。個店だけが良くてもダメ。点でなく線、面で良くしていく。みっつ目は、諦めない。必要とされる存在になろう。」
読者の皆さんの近くの商店街でも「まちゼミ」が開かれているかも知れません。もし開かれていたら、ぜひ、参加してみてください。商店街の店主さんファンになってください。
<まちゼミのチラシ>
次回また、素晴らしい地域イノベーターをご紹介したいと思います。
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「鍋島」のプロフィール
鍋島裕俊(折込広告文化研究所 代表)
*1950年、佐賀県佐賀市に生まれる。
*1980年に朝日新聞社系の折込広告会社に営業で入り、その後、出版、マーケティング、社長室、メディア戦略を経て、無事に卒業(2015年)。
*折込広告全国大会の研修会や本会議の基調講演講師のプロデュースを業界への恩返しと考えサポート。
*研究テーマは、①折込広告の全般研究、②折込広告史の研究、③地域メディアの研究、④地域づくり、など。
*2014年に「折込広告文化研究所」を設立。
*折込広告に関する執筆は、「商業界」「食品商業」「宣伝会議」「販促会議」「物価資料」など、過去に掲載。
*印刷会社の“街おこし” 一般社団法人マーチング委員会の渉外部長。
*全日本印刷工業組合連合会(全印工連)CSR認定委員会の委員。
*オリケン・セミナーを定期的に主宰(達人シリーズ、著者シリーズ、今が旬シリーズ)。
*facebookでの発信は、多岐に渡る。