とにかく散歩が好きだ。身近な町であっても、知っていると思っていても、歩いてみれば、つねに新しい発見がある。私の場合は、特に食いものやだが、今回も楽しい美味しい出会いがあった。
8月6日の土曜日、午前11時、4人(荒尾さん、酒井さん、ミンくん、私)がJR両国駅に集合。
当初は、両国駅の南側をひととおり回って、クインベルでランチし、北側の横網町公園の中にある東京都復興記念館を見て、旧安田庭園を眺めて、隅田川を北上し、春日通りから本所にある居酒屋のわくい亭に雪崩れ込むコースを想定していた。しかし、コースなんて、途中で、どう変わるか分からない。行き当たりばったりの、どう転ぶか分からないミステリーツアーが楽しい。
駅前のザ・ホテルベルグランデの裏にある両国観光案内所で人数分の地図を入手し、イザ出発!
「ちゃんこの川崎」の前を通り、京葉道路に出ると両国橋の左右に、「どぜうの桔梗屋」と「いのしし料理のもゝんじゃ」が見える。道路を横切り、しばらく真っ直ぐ行くと「与兵衛鮨発祥の地」。江戸前にぎり寿司は両国で小泉与兵衛により店舗「華屋」で文政年間(1818~30)に誕生。美食家?の4人が最初に訪ねる場としては適している(笑)。残念なことに「両国花火資料館」は開館時間前で入れず、隣の「回向院」に行く。回向院は明暦3年(1657)の振袖火事よる犠牲者(10万人)を供養するため建立された。山東京伝や鼠小僧次郎吉の墓の側に、飼い猫・飼い犬の供養塔もある。裏手から忠臣蔵、赤穂浪士討ち入りの舞台現場、吉良邸跡の本所松坂町公園に行く。昔の吉良家上屋敷は広大で東西134m、南北63mの2550坪を誇り、現在の本所松坂町公園の86倍。しかし、暑い。喉の渇きを感じて周りを見ると洒落た感じの和菓子屋「両国大川屋」があった。どんな菓子があるかと覘くと涼しげな和菓子があり購う。店内で4人が即刻、味わおうとしていると、おかみさんが冷たい麦茶をサービス。これだから、買い食いは止められない。ちょっと休憩。
歩いて行くと小学校の角に「芥川龍之介文学碑」があり、「杜子春」の一節が刻まれていた。公園の中には「勝海舟生誕の地」碑があり、清澄通りを横切り、今度は「すずめの子、そこのけそこのけ、おうまが通る」で有名な俳人「小林一茶旧居跡」碑を見るが、気になるのは反対側の幟。「両国かつさんど」。ひとり放れて幟の店「テイコーズキッチン」の中に入ると、ざるの上に2つだけ「両国かつさんど」が残っている。1つが3切れ、皆でビン牛乳を片手に持ち1切れを味わう。マイルドなソースと柔らかいカツが美味。2切れ残るが後の人に提供。清澄通りに面した「足袋資料館」に飾られた大きな足袋に驚き、京葉道路を渡り、JR総武線の線路高架をくぐり、「江川太郎左衛門屋敷跡」前、「津軽家上屋敷跡」で子供たちが水遊びしている緑町公園横の「野見宿禰神社」に行く。これも相撲の神様で境内には歴代横綱の名前を刻んだ石碑が立っている。和菓子も好きだけれど煎餅も大好き。目の前の煎餅屋「東あられ本舗」に入り煎餅を購入。そこで熱いお茶を戴く。ちょっと休憩。
東京で有名な鯛焼き屋と言えば一番に名前がでるのは麻布十番の「浪花家総本店」だが(私は四谷の「わかば」)、両国にも暖簾分けの「浪花家本店」がある。ランチ前に鯛焼きを8個購入。しかし今回は食べない。午後1時30分、クインベルに入店。上村オーナーシェフの料理を食してから4年は経つ。冬場に提供される牡蠣料理の種類の多さに驚き、美味しくリーズナブルなのでトコトン食べてしまう。先ほどの鯛焼き4個は上村シェフ他3名にお土産。4人ともランチ定食(私は鴨のソティ)を注文、プラスして絶品「渡り蟹のスパゲッティ」を皆でシェアする。口の中に濃厚な渡り蟹の味を残して、次なる目的地、横網町公園に行く。
横網町公園の中には関東大震災や東京の空襲で亡くなられた犠牲者の慰霊堂がある。また、震災・戦災以降の復興を記念した「東京都復興記念館」もあり、多くの記録が残されている。3月11日の東日本大震災を目の当たりにした記憶もあり、皆、声も無く時間をかけて視た。
「旧安田庭園」の中を通り抜けて国技館の中にある無料の「相撲博物館」に行く。両国は相撲に始まり相撲に終わる。「相撲博物館」は相撲の歴史や力士ばかりではなく、髪結、行司、呼出の衣装や道具についても教えてくれる。
しかし、暑い暑い。頭の中で「浪花家本店」のカキ氷が無性に食べたくなった。当初の予定である隅田川の川岸を北上するのを止めて、大江戸博物館の中を横切って一路「浪花家本店」に向かう、が、16時を過ぎていたので店が閉まっておりガックリ、ショック。ひとり機嫌が悪くなる。ぶらぶらと居酒屋わくい亭を目指す。
途中、何とも珍しい格子戸の出入口がある店舗を発見。数多くの軍手が洗濯され干してある。肉卸の「やざわ」。後ほど合流した地元住人の小野さん夫婦に聞くと小売もやっており、良質で安価な肉を売っているそうだ。チェックチェック。「わくい亭」に小野さん夫婦が合流。荒尾さんは所要があり本所吾妻橋駅から帰宅。「わくい亭」は17時30分に開店すると何処から湧くのか分からないが、アッという間に満席になる。黒板に書かれたメニューも人気なものから消されていく。旬の岩がき、ミニトマト炒め、たこガーリック炒め、定番のメンチカツなどを注文。食べれば食べるほど嬉しくなってくる。さて、地元住人の小野さん夫妻から地元にも変わった店があるという話しを聞く。変わったマスター、1960年代、現役のジュークボックス、年に2回しか休まない店、小錦が飲みにくる店、ランチメニューでトロピカルでないハワイアン焼きそば、そして店の名前は「ペーパームーン」。
21時に「わくい亭」を後にして、徒歩10分で「ペーパームーン」に着く。私が先頭に店に入る。人はいない。マスターのみ。壁には過去の映画ポスターが所狭しと貼られ、その中でも一番多いのがマリリンモンロー。いい雰囲気の店なのに誰もいない。蔵前通りに面しているが急な階段を上る(登ると表現したほうが良い)ので、初回の人には無理な店のようだ。しかし、私は気に入った。8月6日が初回で、この花期花会が公開される日が26日、その20日間に4回も通っている。勝手連で、このペーパームーンを満席にする応援団長宣言をしてしまった。8月6日も長居し23時まで滞在。半日の両国ツアーとなった。
先日、The Beatles「Magical Mystery Tour」を聴いた。次回から、町歩きのテーマ音楽にする。曲が流れると足がムズムズすることだろう。
「クインベル 鴨ソティ定食」
「わくい亭 岩がき」
「東京都復興記念館 米国の義捐金ポスター」
「肉屋やはぎ」
「ペーパームーン テーブルの上には」
「ペーパームーン ビートルズのレコード」
「ペーパームーン エルビスプレスリー」
「ペーパームーン オードリーペップバーン」
「ペーパームーン マリリンモンロー1」
「ペーパームーン マリリンモンロー2」
「ペーパームーン マリリンモンロー3」
「ペーパームーン マリリンモンロー4」