第972号『ふりをする』
レイモンド・カーヴァーは好きな作家のひとりである。彼の代表作『ぼくが電話をかけている場所』。この短編集の中で大聖堂(カテドラル)という小篇にはとりわけ心掴まれる。彼の作品の大方は、事件らしきことは起きない。したがって「ト
第971号『老後をご機嫌に生きるために』
もう2ヶ月で今年も終わりである。少し気が早いかもしれないが今年の振り返りや整理をしてみたい。 今年は70歳代最初の年だった。5月、突然発症した脊柱狭窄症に悩まされたが、様々な方々の応援や助言もあり、なんとか回復した。そし
第970号『創造力の欠如』
週の始まり、季節を進めるかのように秋雨が降る。もうすぐ冬、少し憂鬱な心持ちになる。そんな気分を増幅するかのように、朝のニュースには本当にげんなりさせられる。 プーチンによるウクライナへの攻撃が止むことなく、多くのウクライ
第969号『「間」について思い出したこと』
朝、ふと懐かしい人のことを思い出した。そして、久々に会いたいと思った。こんなときは、躊躇なく連絡を取り、できれば会ったほうがいい。きっといま、自分にとって必要な何かを気づかせてくれるに違いない。 大学3年の時、タイポグラ
第968号『感謝しかない』
10月2日日曜日、突き抜けるような青空のもと、「第15回川崎港トライアスロンin東扇島大会」に参戦した。この大会への出場ははじめてである。これまでは、地元の横浜金沢区八景島シーパラダイスで開催される「横浜シーサイドトライ
第967号『夢の王国』
妻と食事をしながらなにげなくTVを見ていた。ワイナリーのある風景に、吉永小百合さんがにこやかに佇んでいるCM(大人の休日倶楽部「新潟ワイナリー篇」)。あれっ!と思った次の瞬間、記憶がよどみなく甦ってきた。 20数年も前の
第966号『やる気がでない』
年に数度、まったくやる気がでない時がある。今日がそんな日である。 こんな日は、掃除をするに限る。普段から掃除はしているが、いつも以上に丁寧に、本箱や窓枠にはたきをかけ、床は雑巾で磨くといった具合に。こうして、暫く身体を動
第965号『百花』
居間の蛍光灯がパチッと橙色の光線を放ち、スゥンと消えた。蛍光管を取り替えてみたが、点かない。本体そのものが寿命だった。そういえば、春にはドアホーンも音が出なくなり取り替えた。 モノには寿命がある。長年使っていれば、いずれ
第964号『ロックが足りない』
ドラマや映画を2倍速や3倍速にして、観る人たちが増えているという。その目的は、とりあえず見て友だちと話の辻褄を合わせるためらしい。(つづめて観るということは、物語を成立させるための役者の演技の間合いや、背景に流れる効果音
第963号『僕はYESを選ぶ』
2週間ぶりのファンサイト通信である。ブログをほぼ毎週更新しているが、夏休みとお正月休み、そして金曜日が祝日の時は休刊日にしている。こうして、少し間が空いた後のリスタートはいつも苦戦をする。ならばその対策として、書き溜めて