第453号『予兆』

横浜にアトリエを移して早、一年。 めっきり外食が減った。 ほとんどアトリエで飯を作り、食べる。 だから、近所の八百屋や魚屋、スーパーで食材を買う。 寒さも一段と厳しくなり、鍋物を作る機会が多くなった。 そして、最近、気に

第452号『いっしょに食べよう』

想像してみて欲しい。 一度に、1000人もの人々が同じ食卓を囲むというシーンを。 見知らぬ人々が、テーブルを囲み食事を共にする。 ただ、そのためにだけ集まる。 はじめは、途方もない話しだと半ば唖然とした。 そして、そのシ

第451号『インサイト』

1996年8月最後の日曜日、僕は新潟県巻町にある角田山妙光寺の駐車場にいた。 100台以上もの車を誘導しながら、車の出し入れに追われていた。 ここには、宗派を超え、跡継ぎを必要としないお墓、「安穏廟」がある。 この「安穏

第450号『続ける』

ファンサイト通信第1号の配信は、会社創業を翌月に控えた2002年3月だった。 資金も、仕事も乏しく、会社を立ち上げるという高揚感や期待感より、不安と焦燥に身も心も覆い尽くされ、何かせずにはいられない、そんな状況だった。

第449号『デザインの行方』

デザインの力が弱まっている。 最近、そう感じていた。 縁あって、デザイン教育の現場に30年以上関わっている。 かつてと違い、ここ数年、従来の印刷や広告デザイン関連の就職活動は低迷し、生徒募集にも四苦八苦している。 僕の中

第448号『日記を書くということ』

スケジュール帳と日記帳を買うなら、11月が良い。 9月の終わり頃から、本屋さんや文房具店の店頭に列びはじめるが、ここ数年そう決めている。 11月は、10月の紅葉を愛で、豊饒な実りを祝い、ハロウィンの賑わいを楽しむこともな

第447号『恐怖と向きあう』

10月23日(日)雨。 5時に目覚まし時計をかけておいたが、鳴りだす前に目 が覚める。 寒い。 身支度をし、昨夜、事前に準備しておいたウェットスー ツ、自転車、ランニングシューズなど車に運び入れる。 忘れものはないかと、

第446号『新たな地平を切り開く』

世の中に、自分と同じ顔立ちや、似たようなことを考えている人間が3人はいるという。 誰から聞いたのかは忘れたが蓋し、である。 スポーツ選手、歌手やアイドルだけではなく、企業の商品やサービスにもファンは存在する。 そのファン

第445号『卒寿を祝う』

先日、父の卒寿を祝うため、親族が横浜中華街「萬珍楼」に集まった。 父は、1921年(大正10年)10月1日生まれ。 時計修理職人として、つい最近まで仕事を続けていた。 戦前、郷里の津軽で小さな店を持つことを夢みながら、銀

第444号『数字の不思議』

9月23日(金)秋分の日、曇り、気温21度。 5時起床、横浜アトリエ近くの幸浦、並木インターから、湾岸高速で東京湾アクアライン「海ほたる」を経由し、館山道でいっきに南房総市千倉へと向う。 これから、「第40回南房総市ロー