第10回 デモのスピーチ

出張で宿泊したホテルのTVをつけると、学生デモのスピーチが流れてきました。
「選挙に行こうよ」 「投票しようよ」
そのとき、私は二つの歌と一人のドキュメンタリー映画監督を思い出しました。

歌のひとつは、高田渡さんの「自衛隊に入ろう」
https://www.youtube.com/watch?v=XFRkB3mpqD8
当時放送禁止になった反戦歌ですが、何故か自衛隊からPRソングとしてオファーがあったというエピソードもあるその歌は
「自衛隊に入ろう 入ろう 入ろう・・・アメリカさんにも手伝ってもらい、悪い@@(某仮想敵国)をやっつけましょう」
と皮肉たっぷりの歌詞と明るくPOPなメロディーを、淡々とした表情で歌う髭面の高田さんの様が、かえってあふれ出る不快感を表現しているように感じ、小学生の私に強く染み入りました。

歌のもうひとつは、TIMERS(忌野清志郎さん)の「総理大臣」
https://www.youtube.com/watch?v=4DaweD3iYq4
「素晴らしすぎて発売できません」という異例の新聞広告による「COVERS」発売中止騒動の後に結成された覆面バンドの一曲です。
「どうだい俺とブルースしようぜ・・・おいらのギターであんたが唄えよ・・・外国行っても恥ずかしくねぇ様に」
これから社会人になる自分と会社・自分と仕事・自分と社会のようなことを考えさせられたことを思い出しました。

ドキュメンタリー監督は原一男さん。つい最近、ドキュメンタリー監督の原さんをドキュメントした「ゆきゆきて原一男」がWOWWOWで放映されていましたが、近年はアスベストのドキュメントを撮り続けて、今もなお不合理と思うものにレンズを向けていらっしゃるそうです。

偶然耳にした学生の彼のスピーチのおかげで、小学時代や学生最後の年のことを思い出させていただいたとともに、これから50歳を迎える自分のスタンスや社会への関わり方や生き方など、多くのことを考える素晴らしいきっかけをいただきました。

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