11月のレッスンのテーマ食材は栗。
イタリアは秋の味覚と言えば栗。10月は栗産地で栗フェスが開催された
り観光地でも焼き栗を売るワゴンと出会えます。
10月イタリアを旅した時は、友人の家庭でも宿泊した宿でもオーブンで
焼いた栗を各々剥いて楽しんだものです。
師走を迎える前の恒例行事となった11月 栗の手仕事今年はLLサイズ
の4kgを寄せました。
栗の手仕事に根を詰めすぎ、数年前には腱鞘炎も発症してしまい専用カッ
ターの便利さを知り以前よりもスムーズになりましたが、やはり時間がか
かる!
食べる時間と手仕事の時間は反比例する。その言葉に相応しいドルチェが
栗かな。
健康に留意しメンテナンスを行いつつ、今年も栗と向き合ってます。
今では教室の〆のドルチェ(デザート)が定番化してますがスタート当時
から2年間ドルチェサービスはしておらず。
と言うのもイタリア留学中にドルチェ(甘いもの)を食べ過ぎて苦手にな
ってしまいました。
イタリア人から言わせるとドルチェ(甘いという意味です)は甘くなくて
はドルチェじゃない。
甘すぎるドルチェを食べ過ぎた恩恵を受けて帰国した私は数年間 砂糖をつ
かったお菓子に拒否反応が出てしまったというエピソード。
そこで登場した生徒のご好意から生まれたシステムドルチェサービス無しの
レッスンに、生徒が作ってきてくれドルチェを楽しむ時間。
生徒達の嬉しそうな表情でドルチェを頬張るキラキラ笑顔に方向転換決定。
『ドルチェって必要なのね』と気持ちを改め、〆のドルチェをおまけ的は要
素でサービスが始まりました。
おまけって要素いっぱいの私の気まぐれドルチェシリーズ 旬に出回るフルー
ツをメインにドルチェタイムを楽しんでいます。
栗のドルチェは、モンテビアンコの他にティラミス、クレープ、タルトをご
披露してきましたが、一番人気はモンテビアンコ(北イタリアピエモンテの
郷土料理)のようで今年はモンテビアンコが登場します。
ピエモンテ地方の特産品でもある、ヘーゼルナッツ、チョコ等生栗を剥いて
仕上げた栗ペーストと一緒に山に見立てて仕上げたドルチェにうっすら雪が
積もるイメージで生クリームを薄く塗り完成するモンテビアンコ初雪シーズ
ンの11月ドルチェにぴったり。
ちょっぴりビターな珈琲とご一緒にお楽しみ下さい。
私の教室で栗を寄せている産地は秋田県仙北市地区にある西明寺栗(日本で
一番大きな栗と称された栗ブランド)の生産者赤倉栗園さんです。
10年前に秋田の知人の紹介でご縁が出来、秋田という土地の素晴らしさに
も魅了されたきっかけが栗でした。
当時に赤倉さんから一次加工した栗のペーストをお土産に頂き、栗のデザート
を作ってくれないか?
と託された事がきっかけで栗園の商品開発のお手伝いをする事になりました。
ちょっと難しいかも。。。当時の私の気持ちは後ろ向き実家暮らしの幼少期
も栗を楽しむ文化も薄く、何と言っても栗のお菓子が苦手だという悩ましい
理由が根底にあり、栗の持ち味を活かせる商品が作れるか?
そしてもうひとつ。
以前別の県でレシピ開発を行った時に材料に加える調味料等様々な規制があり、
レシピ開発の難しさに直面した私は、作りたい味と売りたい味の温度差に疑問
を覚え、外部レシピの開発に消極的になってしまった経緯がありました。
翌年に産地秋田へと向かった事が私の気持ちの不安材料を解消出来ました。
丁寧に選定された太陽の光が降り注ぐ背の低い栗林を赤倉さんと散策しながら
シーズン通しての栗作業の生活スタイル、そして収穫後の栗を熟成させてから梱
包する発送作業など、全てのプロセスが栗を最高の状態で楽しんでもらいたい思
い代々継承された栗園を守る赤倉さんの強い使命感が伝わりました。
現地へ出向くって大切です。私は思い切って胸の内の消極さを正直に伝えてみま
した。
私でいいんですか?
『自信を持って生産した栗ですので、使う材料も高橋さんがいいと思った最高の
ものを使って満足のいく仕上がりにして下さい』とエールををもらい心の奥にあ
った痞えた何かがとれ素材と真剣に向き合う姿勢が芽生えました。
やっとスタートダッシュ出来そう!きもちが固まれば行動も情熱も超特急です。
比較対象はあまりせず、私が作る栗らしさで表現をしてみました。栗の風味を活
かせる調味料で仕上げた開発商品はマロンバタークリームというネーミングでワ
インのお供にも、デザートにも2段活用出来るとういご提案で誕生しました。
秋田空港のお土産売り場にも並んでますので、秋田旅で出会って下さいね。
生産者と同じ方向性で向き合える事の喜び。良きパートナーとの出会い昨今IT
の発展が目まぐるしい便利な世の中になりましたが、豊かな人生を歩む上で大切
なのは人との出会いと人の温かさだと思います。
農作物の質の仕上がりは、人の温度もキーワードのひとつ。
お料理の世界でも温度って凄く大切。みんなのきもちも大切。
東北地方まだまだお奨めありますが、秋田とってもいい土地です。
今も栗園には数年に1度の頻度で栗林を訪ねています。
教室を始めて12年。私も年を重ねた分、オッティモ(イタリア料理教室)の食材
を提供して頂いている全国の農家さんも一緒に年を重ね高齢化してきました。
産地を訪れる度、あと何回会えるかな?今年も元気で良かったな。って気持ちにな
ります。
数年前に栗園で開催したまろんこカフェ。
ドルチェサービス担当で出向いた秋田、秋田で出あった美味しいもん繋がりの友人
達も出来、去年は秋田で料理教室も開催しました。
北海道は美味しい素材の宝庫ですが、それと同様に全国に美味しい食材と人がいっ
ぱいです。
現地の美味しいもん繋がりの友人達とネットワークを組み、イタリア料理で旅する
日本。
現地の素材調達でイタリア家庭料理の和を広げる活動も進めています。