第33回『秋の空と私のこころ』

 

暑い!暑い!と嘆いていた夏も、オリンピック(マラソン競技)が終わった途端ひんやりと涼しい風が吹き始めました。

北海道の夏ってこんなもんかしら。

もうちょっと暑さを楽しみたかったな。と思うのが、北海道の夏らしさなのかな。

暑い最中一番お世話になった果実はスイカでした。

程よい糖度と水分が補給出来て、リコピン豊富なスイカを楽しみました。

ボンジョルノトマトと一緒にミックスジュースにして備蓄し朝、昼2回位飲んで暑さをしのぎ、スイカとトマトのレシピも考案出来、猛暑日を追い風に学びになるシーンが盛り沢山。

ご近所パワースポット(スーパー)も、猛暑日が続いた時は、空調の効きもやや悪く感じましたが、今日のパワスポは、ぶるっ!半袖姿はやっぱり寒い。

小雨が降る帰り道「あーあ。ひと雨毎に気温も下がり冬が来るのね」週間予報を見ても、最高気温は20℃を下回る日が多くなりました。

夜温が低いと作物達の成長もスロウダウンし寒暖差の恩恵を受けた我がオッティモのトマトは糖度が増し濃厚さも増し「秋トマト」へとチャンジするシーズンへ突入するはずでした。はい。過去形としました。

過去形にした訳を書く前に、真夏の時に欲する私達の味覚センサーについてちょっとだけ。

夏は暑いので水分を含む食物を欲します。

それに加え酸が一緒だとなおスッキリとした口塩梅を感じやすくなります。

トマトの場合をベースに書くと、夏のスタート時は、気温が高いので熟す速度も早くなます。

見た目は赤い色でも、早熟なので酸があり糖度ののりが比較的よくありません。

気温が高い土地に住んでいる方が欲するのは糖度よりも酸度や水分量です。

暑すぎると無意識に濃厚さをそんなに求めないようです。

この夏私も思い当たる経験がありました。

朝食にバナナを避けたくなった。

生のフルーツにヨーグルトを定番で食べているのですが、猛暑日が3週間も続いた時は、さすがにねっとりと糖度が高いバナナを敬遠してしまいました。

糖度があっても水分量が多いフルーツに手が伸び、スイカ、メロン野菜は瓜系のキュウリ等。

トマトも同様で糖度よりも水分補給かわりに食卓に並べる事が多いように感じます。

栽培をお願いしている「ぼんちゃんトマト」は加熱向きですが、収穫スタート時の3週間は、酸が適度にあり水分量も多く生食でも十分楽しめます。

私も今年は加熱よりも生食でモリモリ食べました。

暑さのピークが過ぎ9月に差し掛かる頃に、キッチンでの調理も手の込んだもの。ソースにしたり濃厚な味わいを楽しみたい。特に本州方面のお客様からのオーダー、リピートオーダーが増え始める傾向が見受けられます。

経験の少ない今年の夏は、来年の指標になりつつあるように感じました。

猛暑日の最中、人間でいう火傷障害のような現象が起きているトマト達は真っ赤に色付き、中はやや未成熟。

連発花火のようにババババーーっと咲き競い、花を咲かせ、実をつかせました。

追い打ちをかけるように、雨が全く降りません。

ハウスの中は高温で水不足水を最低限しか与えない栽培法の農家さんも、トマト達の悲鳴を聞き水やりをしましたが、作業が全く追い付かなかったそうです。

この夏は、作業服に簡易扇風機を取り付け収穫作業にあたり、日射病対策を行ったそうです。

数日前、残暑見舞いで農園へ訪問した際猛暑日のトマト談義を伺いました。

体力的にも過酷だった事と思います。

ピーク期は、双方で繁忙期なので、電話のやり取りは意識的に避けているので、現地へ足を運ばなければ知りえない事も沢山あります。

3週間の間に400キロ超えで収穫を終えたトマト達。受け止めた私も息切れしました。

収量予測の折り返しをあっという間に通過。まるで猛暑の中を疾走するオリンピックマラソン選手並みの速さです。給水しないと!と叫びたい。(笑)

はい!「給水」。適度にしないと体力が持ちませんね。

お盆のピーク期を境に、急激に収量が激減し、1週間おきにやって来るトマト達にも変化が見えたので、農場へ行ってみました。

夏の疲れが出ているわ…高温障害による夏バテかな。

実を付けているトマト達の状況はお客様にお届け出来るコンディションのトマトが2割あるかな?

今年の気象条件は異常でした。今後の収穫量は期待出来ないと言われちゃった。(昨年度実績からみた予測:あと300kg足りない)

春のアスパラに続きトマト達もかぁ…

心の中で泣き崩れそうになりましたが、嘆いても始まらないのでどうやったら、秋トマト(糖度が高く濃厚さが増す)を長く収穫出来るか?を考え(と言っても私は託している身なので、何が出来るかな?と相談する事しか出来ないのですが)相談してみました。

夏の疲れが出てきているハウス内のクリーンアップ作戦をお手伝い出来ないか? 素人の私が口を挟んでしまったら難が生じるかも。

トマト栽培は、私の品種は、極々一部5%位にしか満たない量なので(間借り下宿しているトマト達みたいなものです)、言葉のキャッチボール柔らかく気遣いをしつつ、要望も(さりげなく)伝わるニュアンスで。

年々少しずつ築いた信頼度は保ちたいですし、押してもダメなら引いてみるか。私の心の葛藤はまだ結論が出ていません。

「餅は餅屋」餅屋になりたいな。(笑)私は素人です。でも葛藤しています。

いずれにしても秋トマトの味も魅力的です。

1か月。未来あるトマト達の生命力をちょっとだけ期待したいと思います。

カレーも作ってないし(紹介してない)ケチャップもすき焼きだってまだでした。

植物にトンボさんが休憩し、葡萄の房も美味しそなう秋色に。

空が青く澄み、うろこ雲が楽しめる季節となりました。

秋もいいですね!南瓜、葡萄の旬もこれからです。

今やれる事。あるもので出来る事を考え抜いてみよう。

 

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