▼「これからの支出を動かす5つのトレンド」
2011年がスタートを切りました。年が改まったとて、何が変るわけでもありませんが、でも先行きどうなるか?は気になるところかもしれません。
そこで定番のトレンド予測。私が予測しても誰からも信用されませんから、ずうずうしくも人様のアイディアの借用です。
あのアメリカン・エキスプレスが、世界のさまざまな市場で最新の消費者動向や消費者のニーズを把握するための調査を実施しているそうですが、日本市場についてもその概要がHBR1月号に紹介されました。
日頃、肌で感じているトレンド変化を、外国企業から改めて教えられた気もしますが、いずれにしろ「5つのトレンド」は納得!、納得!でありました。
まずは紹介致します。
■トレンド1:バリュー追求
定番的な高級ブランドから価格や品質を重視しながら新しいブランドが求められている。
■トレンド2:男性の女性化が加速。とくに「成功」するよりも「自分の健康」「家族や大切な人と過ごす時間を大切にする」ことが人生の優先事項となってきている。
■トレンド3:ユニークな商品や体験を求めるようになった。
■トレンド4:シニアマーケットが国内景気の鍵となりそうだ。
■トレンド5:エコ意識が普及しもはや「文化」となっている。
みなさんは、こうしたトレンドをどのように評価しますか?
▼ゼロベースで考える必要
私は昨年より風が変わった?という漠然とした予感を抱いています。が、一方、現在関わっているプロジェクトと関連してみるとまだこうした変化やトレンドがものづくりや販売現場で真剣に取り組まれているか?と言うと疑問です。
それはなぜか?一つはセクショナリズム、第二は主な原因は企業・組織挙げての保守性、つまり「大丈夫か?症候群」、第三は相変わらずの「行政頼み」の発想。
また既得権へのこだわりもあるようです。
最近、経営者層には「暦学」なるものが流行っています。つまり閉塞感漂う中にあって、歴史を振り返り「成功」あるいは「失敗」の原因を確かめてみたいという思いがあるからでしょう。「龍馬」ブームもその流れにあるようです。
かつて私のマーケティングの恩師は、「日本が戦後成長を遂げた理由は、何もないからだ」と言われたことがあります。また歴史に依れば、先が見えた時代はありません。はっきりしていることは、失うモノを持たずに、見えない未来に向かって「明日はもっと良くなるはず」と楽天主義的に挑戦してきたこと、昨日までの「成功」は、このひとつに尽きます。
経営者がアホだ!上司が無理解だ!など批判するのはカンタンですが、それこそ「やってみい!」です。
▼変化はすべてボトムから
さらに歴史の教えるところでは、時代の変化、革新はトップ・ダウンでは為されていません。すべてはボトムアップ。いま世界を席巻している企業群もそのほとんどは50年以内に誕生しており、個人の発想・イマジネーションからスタートしている事実をも直視すべきでしょう。
上記の5つのトレンドを、「こんなこと先刻承知だ!」とシニックに切り捨てずに、ご自分のビジネスと関連づけて見て下さい。
いまのビジネスの立ち位置が、足元から崩されてゼロになっていく現実が間近に迫っていることに不安を覚えないとしたら、きっとあなたは時代に左右されないほどの「お金持ち」なのでしょう。
「金持ち喧嘩せず」と言う格言もありますが、一方「いつまでもあると思うな、親と金」との格言もあります。もちろん「0から考える」には勇気が必要です。しかし、「ゴドーは何時くる」のでしょうか?
とくに若い男性諸氏、戦いを止めて、草食系に徹し、トレンド2に乗って「ジゴロ」の道に精進しますか?ま、それもひとつの選択ですが・・・?