NHKのスペシャル番組(5月7.8.9日に放映)「日本経済再生への道」、ご覧になった方も多いかと思います。で、皆さん。ご感想はいかが?
率直に言って私は、もしこれが現実に検討されている道だとしたら、「これはもうダメだ!」と思いましたね。
理由?現実への分析・認識がずれている・・・・モノ経済からサービス経済へ、さらには知識経済への流れ、これはもう戻れない時流です。こうした「新しい現実」をどのようにとらえているのだろう?どうも変化への対応というマーケティングの基本のキが感じられませんでしたね。NHKだものね。
理由?すべての発想が戦術的な近視眼思考である・・・・・・シェア競争、コスト競争、ものづくり&希少技術開発熱中症でSARSよりも危険。これが蔓延したら30年前に逆戻り?日本が負けているのは民生技術のみに依存しているためである、また、戦争がないと技術は伸びないなど、古い技術再生論を仄めかす暴論も感じられる始末。これって有事立法がらみの「陰謀」?
理由?企業とは何か、何をすべきか、ということを基本とした志がない・・・・例えば「サステナブル」と言う21世紀の課題に、どのように企業は貢献しようとしているのか?利益を追求し、社会貢献を忘れた企業は明日がないという現実を皆さん知らないのでしょうか?バブルはほんとうに失われた10年ですね。
しょせん娯楽番組だと言ってしまえばそれまでです。でも一方、多くの海外の多国籍企業が、ビジネス機会の追求の場として世界の65%以上を占める貧困地域の解決に取り組んでいたり、知的資産として人*を評価する新たな経営改善の動きを展開したりしています。こうした思考や行動の彼我の差は、今後、どれほどのリードとなって日本経済にダメージを与えることのなるのか、ぞっとします。NHKのこの番組、チョット早め「冷やし中華的」なホラー番組だったのだと実感した次第です。
* 人件費とは会計上は費用。で、削れば削るほどエライ!というわけですね。一方、資産は貯め込むほど評価されるのです。不明を恥じます。