第35号『終わった選挙の楽しみ方』

衆院選も終わりました。
そして日本社会はなし崩しに悪い局面に傾斜していく予感です。
私だけでしょうか?

それはともかく今度の衆院選挙はマーケティングの競争戦略論に照らしてみるとそれなりに面白い発見がありましたね。

◆ 発見1。
シェア争いと戦略です。
政権狙いを仕掛けた民主とそれを受けて立つ自民と言うコミュニケーションの構図が、丁度、有名なエイビスとハーツの戦いのように競争者同士をクローズアップさせ「二大政党」時代の到来を幻想させる一方、フォロワー以下、ニッチャーの存在を希薄にし、競争相手としては取るに足らない存在に仕上げたコミュニケーション戦法。
古典は生きていると実感。
◆ 発見2。
TVを中心としたコミュニケーション手法です。
明るい、強面と見た目の違いやキャッチフレーズの差はあれ、各党首のスター性を意識した映像コンセプトはほとんど同じ。
しかもイケメン?でないとダメ。
オバハン、とっちゃん坊やは皆こけて、自民、民社、公明のトーンの圧勝。
まさに選挙も知覚獲得競争に他ならないことを再認識した次第。
◆ 発見3。
失敗の本質は正しく、チャレンジャーの失敗も原則通り。
中途半端な戦いは戦果に乏しいことが証明。
もし本気で攻めるのであれば敵の正面を攻撃するモノで相手の強みを狙うものでなくてはならないからで、それには少なくとも相手の3倍の力で戦いが展開できなければならないと言う事実です。
かつてのGE,ゼロックスなどが巨人IBMに挑み得た苦い教訓は他山の石。
◆ 発見4。
攻撃戦略不在。
またリーダー攻略には複数の関連した戦略も必要。
あるジョーク。
二位のメーカーが一位を追撃する方針を立てた。
そこで経営者に一位より「品質のよい製品が提供できるか」「より低価格か」「パッケージが優れているか」「取引業者によりよい条件が出せるか」などと尋ねるといずれにも答えはノー。
ではシェア奪回の手だては?
「がんばるのだ」。
で、攻撃戦略の広い構想力不足は相変わらずの実感。
イラク派遣もテロに屈しないと繰り返すのも同工異曲かも。
でもこれには私たちの命が懸かっているですが・・・。

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