最近、「ウェブ広告が効かない」という声を耳にするようになりました。
こうした声が聞こえるようになったのも、考えようによってはインターネットが広告メディアとして一人前になったことの証かもしれません。
まぁ、そうは言いつつもインターネット広告に活路を見出そうとしている人々にとっては由々しき問題です。
何故、効かないのか、効かなくなったのか、考えてみる必要はあると思います。
効かない理由①
まず、期待過剰があった。ロングテール神話で代表されるようにマイナー商品(企業)でも低コストで広告ができて、しかも購買層にダイレクトにアプローチでき市場を創出できる。
効かない理由②
ネットでの完結する販売への期待があった。AIDMA理論の検証とさらに顧客経験価値を実行する技術として期待。すなわち、DM段階が検索→比較→検討と精緻な購買へのステップが予測されるようになった。つまり購買行動をより細かく知ることが出来るようになったので「売り」として完結するだろう。
効かない理由③
顧客参加への期待過剰。インターラクティブ・メディアとして顧客のレスポンスを期待したが、「顧客は自身のことを知らない」のが現実。したがって「反応」しようがない。顧客は不精でいい加減という認識不足。
効かない理由④
顧客がアクティブな情報探索者だという誤解。
ネット操作には「面倒」があり、旧来の受動型のメディアとはそもそも性質が異なる。「お茶の間」、「ながら」の時間つぶしは出来ない。メディアが新奇性を持っている間はいいが、そこに参加するのは、努力を厭わない「オタク」で話題性はあっても市場としての有効性は低い。
効かない理由⑤
情報発信者に「覚悟」が乏しい。
時代の流れにのってネットを利用する付和雷同姿勢がつよい。したがって「合い見積もり」が趨勢。インフラ利用のみならずコンテンツ制作について「コスト」のみに関心。制作にも時間掛けない小手先拙速主義が蔓延。
新聞の凋落、TVでの「ワイドショー」の消滅など、「実利的な生活情報」に時代の関心は集まってきているにもかかわらず、一方的な企業メッセージ情報発信に終始したお手軽情報や、ブログで代表される小手先情報テクニックでお茶を濁し、ネットユーザーのニーズに応えていない。
効かない理由⑥
トータルでの視点が欠如。これはネットに関してのみではない。しかし、顧客を基礎に据えたマーケティングでは、ネットは最重要メディアであり、顧客を満足させるあらゆるメディアとの一貫性・相乗性をコミュニケーション戦略として成立させねばならない。しかし、現実は「差別」戦略すらいい加減。
効かない理由⑦
担当者が技術志向。技術的な話題性の追求に腐心し、「商売」を勉強しない。
管理する組織も、ま、大して金も掛からないから、とりあえずマ、イイカ!・・・。
そもそも日本は「ダイレクトマーケティング」はとくに弱いし、重視しないのでそこには人材が起用されない傾向もありますね。
以上、とりあえず7つの理由を挙げましたが、「いいんですかね?」と思います。