私の住むところは、パン屋さんの激戦区です。
そこに加えて駅構内にパン屋さんが出店したため、競争はいっそうはげしくなりました。
そんなわけか、買い付けのパン屋さんは、店を大幅にリニューアルし、陳列も変え、合わせてサービスも、いままでのお買いあげ毎の応じたサービス券を廃止し、会員カードにスタンプを押すスタイルに変更しました。
それが記憶では6,7ヶ月前。
ところがその後、買い物に行くにつれ感じるのはどうも客足が遠退いているらしい・・。と思っていたところが、最近になってこのパン屋さんは、サービススタイルやパンの配置を元に戻し、パンも酵母を天然酵母に変え味の向上も図ったためか、夕方、6時過ぎには店頭にパンが無くなっているほどの盛況ぶりとなっています。
お客の動向に合わないと見て、すばやく動く変わり身の早さは、たいしたもので、これも大きくない組織の利点かとも思います。
しかし、考えさせられるのは、お客が何を求めているのか、を察知することの難しさです。
思うに、このパン屋さんの客の多くはリピータであり、いつものパンを、いつも時間のむだなく、気軽に買うことで、そしてついでにお得サービスがあればよしと、満足していたわけで、「パンの購入に頭など使いたくない」人だったということでしょう。
だからリニューアルは、こうした客にとっては、・こんらん、・とまどいを与えるものでしか、なかったというわけです。
そこで思うのは池袋の経営破産したSデパート。
ここは広告、販促の〈うまさ〉では定評があります。
その結果、売り場が何時も変わり、買う度に不便を感じるというのがご近所主婦の噂です。
いわば「頭が先行し、顧客を見失う」好例です。
私たちプランナーは、「変化」や「おもしろさ」を売り物にしがちです。
私事ですが、今年に入ってプレに2回立て続けに負けました。
昨年の打率10割とまったく逆。
これも、考え過ぎの所為?と反省しきりです。