第46号『シルクロードの片隅で』

ユーラシア大陸の中央、シルクロードの一端にあるカザフスタン、その主要な2つの都市に行ってきました。
アルマトイとアスタナという都市で、一方は旧都市、他方は新都市と、性格は対照的な都市ですが、それら両都市でのほんの数日の滞在でも、まさに「この1年の変化は、10年の変化に値する」といわれるほどの急速な発展過程にこの国はあることを実感しました。
こうした発展の背景には、石油、天然ガスなどはじめとする豊富な地下資源が発見され諸外国の投資が活発なこと、そしてこうした資源と利権に絡んでしっかりと荒稼ぎする人々が多くなったことらしく、例えば高級別荘が建てられ・・・なんと7000万円・・・なり、リッチなマンションが建設されたりと、まさにバブル。
お金さえあれば、何でも買える状況です。
したがってファッションや家電などの一般的な消費も活況を呈し、東京でいえば原宿、表参道に類する通りには、欧州の高級ブランドショップが目白押しです。
アルマーニあり、ベルサーチありです。
電気製品ではサムソン、LGなど韓国、車は、ベンツ、BMW、アウディが人気、サービスでは外資系のハンバーガーショップ、ピザなど、溢れんばかり・・・。
欧米風のショッピングセンターも輩出しています。
こうした中、わが国のはないのか、と愛国心?を持って目を凝らしたのですが、ほとんど目に留まりません。
日本が嫌われているのか、というとまったく逆で、親日で、日本製品に憧れも強いとのこと。
要は日本企業からは、この市場は、あまり関心がもたれていないのでしょう。
確かに、この国はつい最近まで借金国で、やっとそれを返却したばかりの国で、購買力も平均的には高くないし、またカザフの人口も約1500万人ですからさして大きな市場ではないことも事実です。
さらに独裁的な性格も強い。
やりにくい国とは思います。
しかし、一方で、地続きとはいえ欧州の積極的な動きは目を見張ります。
おそらくロシア、中国市場を見据えた結果の動きでしょう。
こうした動きの結果は今後どうなるのかわかりませんが、おそらく成功の果実は日本が手に入れることはないでしょう。
食事を共にした若いカザフエリート・ビジネスマンは「日本はODA関連だけ。
アグレッシブではないね」という評価です。
市場はつねにベンチャー精神に富んだビジネスマンによって創られてきました。
失敗も成功も、すべては自分で動いてみないことには始まりません。

いま、私は交易の歴史が息づくシルクロードの真っ只中におり、昔も、今も変わらぬ時空を超えたビジネスの冒険的な営みを目の辺りにしている想いを強くもった次第です。
で、日本は冒険者達の最後のお余りを貰っていた国であることも・・・。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です