第52号『近頃の若者は・・・!?』

紀元前より、「近頃の若者は・・・?」と言う大人の文句があったそうですね。
それほど、若い世代のへの不満は、人類永遠のものかもしれません。
しかし、この不満も、ことこの度のオリンピックに関しては「近頃の若者は・・・スゴイ」と賞賛したい気持ちです。
それは金メダルなどのメダル獲得総数ではなく、彼らの試合に臨む、または勝負に終わった後の態度や発言です。
それらは、北島、谷、山本、福原選手など、その他、破れた選手にしても異口同音に発言していたのは自分を中心においた喜びであり、また悔しさでありました。
またその語り口も非常に明るい口調です。
こうしたことはとても共感がもて爽やかでした。
これはこれまでの「国威発揚のオリンピック」との決別を物語るものでしょう。
また他人の目や世間様を意識する日本人からの脱皮かも知れません。
勝利を喜ぶ地元のインタビューでは、あるお年寄りが●●丁目の誇りだと語っていたのには微笑まされました。
それは「自分の快適な居場所」を体現していると言うことだと思いました。
つまりよい生き方、人々を気遣うことを優先し、大義に縛られない自由さを表現していることでもありましょう。
これと対極にあるのが、マスコミ報道、ジャパン、ナデシコ、日の丸などとアナクロ報道です。

夏オリンピックは、8月15日の「日本の暑い夏」とも重なります。
日の丸や天子様のために多くの人々が一切を失った時代の不幸な思い出が堆積している時です。
だから国を挙げての大義の発揚は、スポーツとはいえども戦争で父親を亡くした私には心穏やかではありません。
もはや戦争の傷を抱えた人は少数派となり、戦争の思い出は風化していると思われています。
しかし、それは本当でしょうか?
アジアでは、世界では・・・?
アジアサッカーは、燻る戦争の歴史の現実です。
ナショナリズムや民族主義は禄なことがありません。
この意味で、今回活躍のアスリート達は、こうした部分を微塵に感じさせないクールな感性の新世代。
彼らの自己中、軽さ、明るさなど、ある意味、「豊かさの時代」の申し子です。
自分のためにガンバル「近頃の若者は、スゴイナー、ウラヤマシイ」と感じた次第です。

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