ふたたびプレゼンについて、です。
この原稿は、ハーバートビジネスレビューHBR10月号に掲載されている記事を紹介するもの、すでにお読みの方も多いと思います。
プレゼンは、中身もさることながら、プレゼンテーターの印象も大きく影響すると言うのがHB筆者の指摘です。
すなわちプレゼンの際に、プレゼンの受け手は、プレゼンテーターを特定のタイプに分類し、もしそのタイプに当てはめられてしまったら、プレゼンのそのものが台無しになるという、恐ろしいご託宣です。
これはむろん海の向こうの話と言えばそれまでですが他山の石とも言えましょう。
まずは1.弱気タイプ
つまり提案にこだわりがなく、すぐに相手の意見に合わせてしまい提案を諦めてしまうタイプです。
とりわけクライアントと意見を交わせしにくい風土の私たちには、陥りがちな指摘。
お取引き頂けるのなら、ご希望に合わせて変更致しますとつい「営業的?」に発言したことはありませんか?こうした応答で、このチームは自分のアイディアに執着がないと判断されかねません。
2.ロボットタイプ
よくプレゼン準備にリハーサルをやりますが、このリハーサルの結果、間違いないようにと気遣うあまり、企画書を読むだけ、または丸暗記しただけのプレゼン、パワーポイントに書いてある以上のことは発言しないプレゼンです。
これでは当然、話に迫力がないし聞き手を惹きつけることは出来ません。
3.もうひとつは相手のニーズを無視した、パワーセールス的なプレゼン
自分のアイディアを訴えるあまり、相手の話を上の空で聞き過ごす、やり手の営業マンタイプのプレゼンです。
これは相手から見ると提案ではなく、売り込みに過ぎないプレゼンと評価されてしまいます。
また聞き手に耳を傾けない傲慢な態度は不快感さえも与えがちです。
4.おねだりタイプ
これはよくありますね。この人が欲しいのは、仕事だけ、相手とパートナーシップを組んで問題を解決しようという意志が感じられない困ったタイプです。
前回にも述べましたが、「プレゼント」の意味合いが強いプレゼンは、相手と共鳴しなければどのような舞台装置が設定されようとも徒労に終わってしまいます。
かつて先輩から「聞き上手」になれと言われたことがあります。
以来、そうした目ですぐれた商売人といわれるビジネスマン達を見ると、必ずしも口八丁手八丁の人だとは限りません。
むしろ口下手、無口の人に多いようにも思いました。よく相手の話が聞けると言うのは、相手への勉強はむろんですが、多くの経験を積み、真に見識がしっかりしているからだと思います。
以上の4つのタイプは、プレゼンテーターのすべてが陥りがちな罠とも言えます。
老婆心と同時に、自省を込めてご紹介した次第です。