いま頭の痛い、いくつかの問題に直面しています。
その一つが「ブライダル」、とくホテル披露宴の市場開発です。
ご承知の通り少子高齢化や結婚しない、または出来ない症候群時代に入り、この市場は縮小の一途にあります。
そして将来を見ても楽しいビジネスの展望は拓いては来そうもないのです。
一方、何故か、ホテルの新規建設はあちらこちらで行われ、また結婚式の多様化が多様な披露会場を誕生させる中、ほとんどの式場は、組数獲得競争は激しい、価格競争は熾烈で、伸びない、儲からない時代に喘いでいるのが実情。
儲かるのは、あの「ゼクシー」ばかり。
こうした状況にあって、ホテルに関しては、かつての御三家の落ち込みは目を覆いたくなるほどですが、しかし、それでもプライドだけは昔のまま、相も変わらない発想と方法論に終始しています。
自分で考えず、中途半端な経験主義や,知ったかぶった女性ブライダルコーディネーターに頼りきり。
これはマズイですよ。
10年後のブライダルマーケットはどうなるのか、考えて欲しいのですが、おそらくいまの「ブライダル」は大きく様変わりしているはずです。
もしかしたらいまのブライダルは消滅しているかも知れません。
言いたい所は、もはや他社動向や業界の動きを見て、そこでの差別化や競争優位の考えでシェア争いをやっている暇はないと言うことです。
ある意味では。
この市場は脱差別化を図る段階に来ているのではないか?と考えるべきではないか、と思います。
つまりブライダルのコモディティ化へのチャレンジです。
さもないと、収益性も成長性も限りなく減少していく他はないでしょう。
脱コモディティには、市場の創造しか道はありません。
つまり「ブライダル」に未知のマーケットスペースを見出すことであり、成長の機会と収益の成長を仕掛ける努力が必要だと思うのです。
現在、結婚式の形式は、昔から在ったと皆思い込みがちですが、実は、明治時代の後半、神社のプロモーションから誕生し、その後、太平洋戦争を経て、日本がアメリカ文化に支配された結果、洋装のファッショナブルな結婚スタイルが創出されたそうです。
また、エンゲージリングを贈ると言うのもダイヤモンドの販促であったことは、私自身が若き日そのマーケティングに携わったことからも証言できます。
いわばある時、市場は、創られたのです。
それがいま綻びを迎えつつあるのです。
HBRによれば、過去100年間で、成功しているビジネスは、皆、存在しない市場を創ってきたとし、事例を数多く挙げています。
しかし、一方でそうしたビジネスは、既存のビジネスから生まれているとも指摘しています。
ブライダルで言えば、人間関係、家族関係の変化、家族の変化、価値観、モラル、レジャー行動など取り巻く環境は激変しています。
そこに変化とチャンスの芽は存在しているでしょう。
この芽を発見し育てるにはが必須です。
そう考えつつ、無い想像力と創造力を絞らざるを得ない日々なのです。