日本の営業ってヘン!
IT系の会社を経営している中国人若手社長、宋さんからのご指摘(NHK経営羅針盤)です。
同感です。
常々思うことですが、営業とは何か?と言うことです。
世間一般に営業のイメージはよろしくありません。
例えば「やり手の営業マン」をイメージしてください。
図々しい、慇懃無礼、声が大きい、口八丁手八丁、誤魔化しが上手い、などなど。
また、組織の中では、営業マンは足、頭脳よりは身体、売ってくれてナンボの人種などと内外双方にあって尊敬を集める存在として認めてられていない気がします。
営業マンの日常は、「飛び込み活動」と「ねばり」が中心であり、あるいはそうした変形として電話掛けまくりです。
従って多くの企業側にあっては「売り上げ」がすべてであり、それを反映して、営業マンの雇用は、給与は歩合制、または固定との組み合わせ、実績次第で本採用など身分の保証も不安定で臨時的な要素が強い。
さらに採用に当たっても「 落ちこぼれ」を前提に多めの人数を採ることすら行われています。
要は使い捨て発想ですね。
多くの業種において「飛び込み」が頻繁です。
今でこそ多少近代化?されている広告業界でも、例えば案内広告で言えば、多くは「飛び込み」を基本としていますし、営業マンの定着率も悪いと思われます。
疑問に思うのですが、こうした飛び込み&ねばり営業は効果を上げているのでしょうか?
皆がやっているから効果があるのではないか?と言う判断もあるでしょうが、それでは余りにお粗末ではないでしょうか?
かく言う私も営業経験はあります。
飛び込みも経験しましたが、実際仕事になったのは、人間関係が出来上がってからでした。
また優秀な営業マンは、売り込まなくても自然とお客が着いてくるとも言われます。
宋さんの話を聞くまでもなく、販売はニーズのないところには絶対成立しません。
例えば私には先祖よりお墓を受け継いでいますから、二つ目の墓を建てる気はありません。
従ってもし営業を掛けるのなら、こうしたニーズの有無を事前に把握しておくべきでしょうし、また販売会社は、そうしたニーズがありそうな相手を想定して営業マンにアプローチさせるべきです。
かつてモノのない時代は、モノそのものが価値があり、その情報をもたらす人もそれなりに必要とされたと思います。
しかし時代は変わりました。
まず、人材確保にもコストが掛かります。
またモノを持つ、持たないも個人の勝手、人々のライフスタイルや価値観も多様で複雑です。
そんな相手に、見ず知らずの人が、闇雲にアクセスしても嫌われるだけでしょう。
嫌われる仕事には人は就かず、いい人材は遠ざかります。
まさに悪循環。
掛かってきた営業マンの電話をぶっきらぼうに切っていつも感じるのは、「飛び込み」の空しさとねばる営業マンへの哀れさです。
そしてもっと組織が営業そのものの生産性を組織全体の課題として位置づけ、ムリ、ムダを廃して、営業マンのやる気や仕事へのよろこびを向上させるに足る「楽しい」業務として改善出来ないのだろうか?と言うことです。
「飛び込み」と「ねばり」だけを頼りに動き、結果として期待された成果を挙げられずに、使い捨てにされる若い人材をまま目にするにつけ、「営業のヘンさ」とそれがもたらす弊害を考え、そろそろ、「ヘンな営業」からの脱皮を真剣に考えて欲しいと思うのです。