第442回 映画「The Greatest Showman」観ました

参照元 Rakutenブックス

私は妻とよく映画を観ます。劇場上映も、DVDも、ジャンルもそれほど問わず。
そんななかで先日観たこの映画「The Greatest Showman  (邦題グレイテスト・ショーマン)」は過去ベスト5に入る傑作でした。

そして改めて「私はミュージカル映画が大好きで、やはりミュージカルは映画館で見るに限る!」と認識させてくれました。

昨年暮れにアメリカで公開され、日本では2月に上映、現在公開中。
19世紀に実在し「サーカス」を全米に広めたP.T.バーナムの自伝的ミュージカルです。
貧しいながらも夢想家の少年だったバーナムが、サーカスをひらいて成功を収めるまでの物語が、素晴らしい曲と踊りと演技で繰り広げられます。

主演は「X-men」シリーズのウルヴァリン役や、こちらも2012年ミュージカル映画「レ・ミゼラブル」でその素晴らしい歌声を披露したヒュー・ジャックマン。
素顔の人間らしい彼のキャラクターだけでも好きなのに、歌声もすばらしく、さらに付け加えれば同い年(笑)というのも相まってとても好きな俳優ですが、今回はそれにダメ押しをくらった感じ。
本作は彼が実に構想から8年をかけて実現させた、本当に作りたかった映画なんだそうです。

さらにはこれも過去ベスト3に入る好きなミュージカル「ヘアスプレー」のザック・エフロンや、メインテーマともいえる名曲「This is me」を歌ったキアラセトルなど、実力派が勢揃い。
音楽は「ラ・ラ・ランド」でも楽曲を作った二人組パセク&ポール。

ネタバレになりますし、史実とも異なる部分もあるそうなのでストーリーは観ていただくとして、なぜこんなにこの作品に感動したのかを考えてみました。

この物語のテーマは「弱い立場の人たちへの賛歌」です。
劇中に出てくる身体的なコンプレックスや障害を抱えていたり、まだ奴隷制度の名残が残る時代の黒人といった、社会的には弱い立場の人達。

その彼らが、サーカスを通じて自らの価値を認識し、自信と勇気をもってあげた歌声が、「This is me」に再現されているからこそ、当初アメリカでも賛否あり、興行も伸びなかったのにジワジワと人気をあげて大ヒットになった理由なのだと思います。

「ヘアスプレー」も同様に、主人公たちが人種差別の壁を明るく、力強く乗り越えていくというストーリーが素晴らしい楽曲と踊りで表現されており、そこに大きく感動しました。
この二作を見るまでは、ミュージカルの素晴らしさを教えてくれた「グリース」がベストでしたが、グリースにはこのテーマ性がないので、ヘアスプレーや本作のほうが感動が増すという結果になりました(笑)

とまあ、書きたいことはもっとあるんですが、観に行く前に私の言葉よりも「This is me」を観てもらうのが一番いいと思いますので、どうぞご覧ください。
1つめは制作前のワークショップでの初披露。監督との裏話も感動します。
2つめは本作のシーンです。

多くの人が自己の無価値感に悩む時代だからこそ、このような人間への賛歌を素晴らしいエンタテインメントとして完成させたスタッフの人に心からの拍手を送りたいと思います。
ご興味をもたれた方はぜひご覧になってみてください。