先日、どうしても観たかった映画「スノーデン」をようやく観ることができました。
エドワード・ジョセフ・スノーデンについては、すでにご存知の方も多いと思います。
元アメリカ国家安全保障局(NSA)および中央情報局(CIA)職員で、政府が無断で世界中の個人情報収集を行っていた事実をメディアで告発。
世界中を驚かせ、かつ現在もアメリカ政府から告訴中で、モスクワに亡命中とされている渦中の人物です。
その彼の生い立ちから、告発に至るまでの一部始終をドキュメンタリータッチで描いたのが「プラトーン」「7月4日に生まれて」など、社会派大作を撮り続けてきたオリバー・ストーン監督となれば、何をおいてもすぐに観たかったのです。
主演は演技派ジョセフ・ゴードン・レヴィット。彼も大好きな俳優さんです。
期待感一杯で地元上大岡のレイトショーに出かけました。
感想は、事実を忠実にフォローしながらもエンタテインメントとしての見せ方を熟知させた素晴らしい作品だな、と感心すると同時に、描かれた国家権力の恐ろしさに震撼しました。
現在「テロとの戦いに備える」という名目で、日本では「共謀罪」の是非が問われています。安倍首相は「共謀罪が成立できなければオリンピックは開催できない」と答弁し、成立を急いでいます。
この法律が成立すると、疑いがあると思われる国民の通信を無断で情報収集(盗聴)することが可能になるだけでなく(これはすでに通信傍受法で適用中)、政府の解釈により一般人や団体も危険思想と認定し、それをきっかけにいつでも逮捕や勾留が可能になると言われています。つい先日の東京新聞の記事を参照ください。
この是非については国民がその内容を熟知し、徹底的な議論をしたうえでなければ、戦前に施行された「治安維持法」と同等のものになってしまう恐れがあるのです。
まさにこのブログの内容でさえ、その対象になり得るかもしれないのです。
みなさんはいかがでしょうか。それでも必要と思われるか、もう少しこの法案についても議論が必要だと思うか、それとも現行法で対応できるのであれば必要のないものだと思うか。
私としてはとにもかくにも国民が知らないまま、人権侵害の恐れがある法案について可決されてしまうことの恐れを感じています。
すでにこの法案についてはマスコミでも話題になっていますが、それが具体的にどのような状況を招くのかを知る意味でも、この映画を日本人全員に観てほしい、そんな気持ちにもなりました。
機会がある方、ぜひご覧になってみてください。
映画「スノーデン」公式サイト
エドワード・スノーデン(wikipedia)
共謀罪(wikipedia)
「共謀罪」捜査に通信傍受も 無関係な「盗聴」拡大の恐れ(東京新聞 2017.2.3)