1月6日に発生し、1週間近く漂流して沈没したイラン国籍のタンカー「サンチ号」の重油流出事件。
過去最大級の重油が流れ出し、奄美大島や沖縄はじめ、近隣の島々に続々と流れ着いています。
昨年千葉と兵庫から奄美大島に移住をした友人がいます。
街の暮らしを捨て、奄美の豊かな自然を愛して移住した矢先にこの事件に直面した彼らは、地元の人たちとの関係に気遣いしながらも、この事件について精力的に情報収集し発信しています。
発生の経緯を調べれば調べるほど、不可解な点が多いこの事件。
ここでは詳しく書ききれませんが、とにかく行政、特に国から県レベルでのアクションや情報開示の遅さが目立っています。
現地では海を愛する市民、行政、そして船会社の除染事業を入札で受託した業者の三者がバラバラに活動しているとか。
未だ重油や、揮発したといわれる猛毒コンセンデートの影響などもハッキリしないまま、皆が油の回収をしているような状況なのに、東京からの全国レベルのニュースにはほとんど出てきません。
この事件は、政治の話はさておき、日韓中が被害者でもある環境問題です。
また、東シナ海だけの問題ではなく、島国である日本全体の問題なのに、まあとにかくその影響についての議論が全くといっていいほど起きていないことに危惧を感じます。
移住した友人らが日々刻々と変わる現地の情報を発信してくれています。
奄美大島では、去年まで島に来ていた渡り鳥が一羽もこなくなってしまったそうです。
ウミガメが重油をクラゲと間違えて飲み込み死んでしまった写真も出てきました。
この状況を見るに、福島原発事故と同じように、現地だけがその危機感を感じているだけで、日本全体では「よくある事件の一つ」的に忘れ去られていくような空気を感じています。
この事件について、ウヤムヤにならぬよう、友人ら有志で各党の国会議員の方々を介し、関係各省庁の情報をしっかりと引き出していくアプローチを開始しています。
北朝鮮危機(なぜかオリンピックも平和的に進んでいますが)憲法改正、原発再稼働、沖縄の基地建設や相次ぐ事故、もりかけ問題に加えて新たに増えた懸念事項に呆れてしまうほど。
そのなかで人類にとって最大の脅威となる気候変動にもこの事件は直結するだけに、市民の立場として自分らの命を守るために、人任せにせずしっかりとウォッチしていきたいと思います。
一緒にうごく友人らがこの事件について非常に詳しくまとめたサイトと、ジャーナリスト田中龍作さんのサイトがあります。これこそ現場で起きている事実です。
情報は日々アップデートされていますので、ぜひ参考にしてみてください。