第1回・キリンビール株式会社 マーケティング部 企画担当 主務 杉山 直人さま

キリンビール株式会社

マーケティング部 企画担当 主務 杉山 直人さま サイト名:【キリン・シーグラム株式会社:極楽クラブ】

 杉山 直人さま  キリン・シーグラム株式会社:極楽クラブ

ファンサイト導入対談の第1回は、ファンサイト設立のきっかけとなった、旧キリン・シーグラム株式会社「ボストンクラブ」のファンサイト『極楽クラブ』担当の杉山さまにお話をお伺いしました。 「極楽クラブ」はメルマガ会員17万人を集め、当時、マーケティング誌・宣伝会議や、各種媒体に紹介され、話題になったファンサイトです。

— プロジェクトに関わったきっかけを教えて下さい。

杉山さま:
『極楽クラブ』は、「ボストンクラブ」というウイスキー好きのユーザーに向けたサイトとして、2001年にオープンしました。 オープン当初、私は別チームで勤務していたのですが、ウイスキー担当に部署異動することになり、前任者から引き継いで担当を行うことになりました。 当時、『極楽クラブ』は順調に会員数も増加し、うまく運営できているという印象を持っていました。 しかし同時に、ブレイクスルー(現状突破)ができていないのではないかと考えていました。 もっとメルマガ会員を増加させ、ユーザーを獲得できる可能性があるサイトなのではないかと感じていたんです。

— 参加した、第一印象はいかがでしたか?

杉山さま:
最初に感じたのは「とにかく熱い人達」が集まっているということでした。 『極楽クラブ』のチームは、良いものを作りたいという想いを全メンバー共通で持っており、それぞれのメンバーの立場をフラットにして考えるということを当たり前のようにしていました。 ですから、自分もこのサイトの担当者として、「何をしたいかというゴール」と「ゴールに向かう覚悟」をしっかり持っておかなくてはチームに参加する意味が無いと思いました。 何をしたいかという意志と覚悟を持って話すことで、ウェブのテクニカルなことよりも、きちんと気持ちや考えを重視して一緒に考えてくださるのが心強かったですね。

— 印象に残ったことはありましたか?

杉山さま:
『極楽クラブ』を担当する前から、場を盛り上げる役割が足りないのではと感じていました。 メルマガ会員数は増加していましたが、定期的に掲示板に書き込みをしてくれるお客さまは少なかったんです。 そこで、サイトのコンシェルジュ(ウェブマスター)としてサイトに登場していた「ミナミ」の弟子として、 私自身が「スギゾー」というキャラクターで登場し、一言コメントを書き込む「スギゾーの今週の一言」というコーナーを毎週更新するようになりました。 私自身が更新していた理由は、お客さまとフラットな目線で声をかけることで、きちんと対話できるようになるのではないかと考えたからです。 スギゾーのコーナーでコメントを発信するだけではなく、掲示板にもコメントを残すことで、多くのお客さまから反応をいただけるようになりました。 各コーナーの書き込む内容一つ一つに目的を設定し、コメントを書き込んで、反応を見て、効果検証するというサイクルを繰り返していました。

— その他、プロジェクトを進める上で重視していたことはありますか?

杉山さま:
ウェブサイトの効果について誰もが手探り状態な時代だったので、とにかく数値として目に見える結果を出すことを意識していました。数値が悪ければ予算が割けない時代でしたので、サイトのアクセス数と会員の方の定着率は常に重視していました。 そのために、ウェブだけではなくリアルでの施策も必要だと考え、様々なリアルイベントを実施しました。 普段ウェブサイトで接しているお客さまと直接対話することで、サイトへの愛着を持って頂き、結果的にサイトのアクセス数を増加させることができました。 実は、ファンサイトスタッフの皆さんに“手弁当”でお手伝いいただいたコーナーもありました。「良いサイトを創りたい」という熱い想いをお持ちだからこそ、ご協力いただけたんだと感謝しています。 常にチーム全体が前のめりで進んでいたのは、「一緒に良いサイトを創ろう」というスタッフの皆さんの想いが表れていたのだと思います。 このように、チームとして常に現状に満足せずに、新しい施策を提案し合い、それを実施して効果を検証していくことを繰り返していく。それが楽しかったです。

― ファンサイトという会社と付き合っていかがでしたか?

杉山さま:
ファンサイトスタッフの皆さんには、こちらの想い以上の提案をしていただきました。 「自分たちはこれが良い」という想いのこもった提案をしていただけるのが面白かったですね。 提案のコンセプトや目的はっきりしているし、なによりご本人たちが愉しみながら「極楽クラブ」の住人(お客さま)目線で発想いただけるので、いろいろなご提案も受け入れることができました。 実施した施策がサイトの住人に共感いただけなければ、自分たちが納得出来るまで議論して、施策やサイトを変える。 変えようとしている施策やサイトは、お客さまはもちろんですが、作っている自分たちも愉しくて心地良い空間かどうかなど、いつも熱い議論を交わしていただきました。 商品を売るのではなく、「楽しくて・心地が良い」という気持ちの先に商品があるようにしないとサイトを見る側も作る側も愛着を持って続けていけないですよね。

— メッセージをお願いします。

杉山さま:
ファンサイトという理論は正しいと思っていたし、今の世の中がその理論に近づいてきていると思います。 軸もぶれていないので、どう実行していくかという思い想いを持って広げていっていただきたいですね。 そんな仕事を一緒に作りたいという方に応えていって下さい。